2026年8月、長崎市にいます。
某博物館に入館を断られ、「平和」を訴える人たちの懐の狭さに閉口した翌日。
メジャー観光地巡りの前に、朝の散歩がてら長崎港に向かいます。
「戦争を想起させる。キーッ!」と彼らに言葉狩りされかねない軍艦島の見学は、諸般の事情で断念。
その雰囲気だけ味わいに、上陸ツアーの出発地である長崎港ターミナルビルへ。
よもや口をアングリ開けて中華料理を味わうことになるとは思いもよりませんでした。
ポストモダン建築、モチーフ、メタファー、バブル経済、短命建築、解体、反対運動
訪問記
粋な駅名の大波止停留所でチンチン電車を降りて港に向かって歩いていると…
朝一番で寝ぼけているのか、巨大な揚げ春巻きが目に飛び込んできます。


しょーもないボケ、どうもすいません。
それにしても分かりやすい建物やな。
みんな大好き「三大〇〇」の代表格、横浜・神戸と並ぶ日本三大中華街の栄誉に輝く長崎新地中華街はほんの目と鼻の先。
モチーフは揚げ春巻きに決まっています。
待てよ、こんがりキツネ色じゃないから生春巻き?
てぇことは、タレは酢醤油じゃなくてチリソース?
だがしかし、この場所ってベトナムと関係なくね?
結論。揚げる前の揚げ春巻き。
ところであなた、揚げ春巻きはどこから食べ進めますか? 私は先っちょから。
この揚げ春巻きは側面ガッツリきれいにかじられてます。まだ揚げる前なのに。


ところであなた、揚げ春巻きの具はどんなのが好きですか? 私は椎茸と春雨。
この揚げ春巻きは先っちょにライスペーパー巻き忘れで中身丸見え。具は不明。


揚げ春巻きの横にはご丁寧にステンレス製の丸箸まで添えられています。
だがしかし、この場所って韓国と関係なくね?
さぁ、おフザケはこのくらいにして中へ。
巨大な桶の中身は酢醤油でもチリソースでもなく、明るく開放的な大空間。
階段やエスカレーターが上階においでと誘います。


気になるあの子は幸せの黄色いブリッジ。
建築🐎🦌とお子ちゃまくらいしか渡りそうにないこの橋、前者であり後者でもある私は躊躇なく突入。
正直、楽しい。誰も来ないし。

誰かがかじって欠けた窪みは港を見下ろす展望エリアになってます。
これから始まる船旅に心が高揚する人びとを眺めることもできます。

閑散とした2階に比べて、1階は船旅への期待に溢れる人びとの熱気がムンムンよい雰囲気。
建築は人びとに使われてナンボ。

設計は高松伸さん。
バブル経済華やかなりし頃、分かりやすいモチーフのポストモダン建築を量産されました。
一例を揚げる挙げるならばこんな感じ。
| 仁科歯科医院 ARK (1983、存命中) | キリンプラザ大阪 (1987、享年21) | SYNTAX (1990、享年15) |
![]() | ![]() | ![]() |
ARKを除いて現存せず。まさにバブルの仇花。
揚げ春巻きと同じ1995年生まれのキリン本社ビルも29歳の若さで逝去。
どの建物も解体に反対する声があったとは、私は寡聞にして存じません。
どいつもこいつも早死にが過ぎるやろ。
果たして揚げ春巻きはいつまで生き延びられるやら…
ところで高松さん、バブル崩壊後は作風をガラッと変えられたそうです。
私は未見につき評価不能。
近作は台湾が多いようなので、揚げ春巻きを食べに行くついでに徘徊してみますかね。
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基本情報
長崎港ターミナルビル
設計:高松伸
竣工:1995年
場所:長崎県長崎市
訪問:2026年8月
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