長崎港松が枝国際ターミナル|港一望丘の下の広場~建築徘徊112

建築徘徊
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2026年8月9日、長崎市にいます。

狙った訳ではなく、本日はたまたま長崎原爆の日。

目指すはナガサキピースミュージアム。

今日という日にこれほど相応しい訪問地ある?

だがしかし、善良な一般市民に過ぎないはずの我々ポンコツ夫婦、なんと入館を拒否されます。

途方に暮れて向かった先は…

KEYWORDS

クルーズ船、豪華客船、ダイヤモンド・プリンセス、天窓、トップライト、スリット、動線

訪問記

「平和」とは程遠い心境で周囲を見渡し、緑の芝が曇天に映(バ)えるなだらかな丘を発見。

怒気を静めるため、木製の遊歩道に沿って斜面をえっちらおっちら(死語)お散歩します。

広々とした頂上周辺には、ところどころ地面に丸い天窓が開いています。

ここは自然の丘ではなくて人工物なのね。

天窓の下には何があるのかな?と覗き込むも、乳白色のガラスに遮られて中は見えません。

天窓下の空間を探索するため斜面を下ります。

丘の下に現れたるは、緑豊かな自然との対比が鮮やかなモダニズム建築。

コンクリート・鉄・ガラス+石。

なになに、長崎港松が枝国際ターミナルビル?

予備知識ゼロ。人気(ひとけ)もゼロ。

どうせ鍵が掛かってて入館拒否でしょ、と醒めた気持ちで自動ドアの前に立つと、あっさりオープン。

人口の丘の下には人口の広場が待ち構えていました。

亜鉛メッキでしょうか、鈍い銀色をした鉄骨柱が天窓まで伸びてコンクリート製の丘を支えています。

「いつでもどこでも雨かドン曇り」なポンコツ夫婦の訪問を受け、天窓から降り注ぐのはキラキラ陽光とは程遠い鈍く薄い光。

しかし、港を望む全面ガラス張りの窓、丘を切り裂くスリット開口、と随所に光を取り込む仕掛けが施されており、さほど暗さは感じません。

静かな、あまりに静かな空間に、隣の博物館に入館拒否されて荒んだ心が癒されます。

それにしても事務室の受付におじさんが独り座っている以外、人っ子一人いやしねぇ。

「閑古鳥が鳴く」とはまさにこのこと。

他人事ながら心配になりますが、どうやら大きなお世話のようです。

本日はたまたま寄港がないだけで、普段は大型客船が頻繁にやって来て賑わう施設の模様。

今は静かなこの広場、ひとたび豪華大型クルーズ船が寄港すればお金持ちの老夫婦やパリピでごった返すのでしょう。

でも大丈夫。

周辺をお散歩するジモティーは、眼下に彼らの喧騒を眺めつつなだらかな丘を越えて行けばよい。

旅人は港から広場へ。地元民は丘を上がる。

彼らが交錯しないように立体交差する動線。

上手いこと考えられています。

ところで余談ながら、新型コロナ騒ぎで一躍有名になったダイヤモンド・プリンセスは長崎市生まれ。

立派な模型が飾られていることからして、どうやらここが母港と言っても過言ではないのだ。


設計はNKS2アーキテクツ+Intermedia。

恐縮ながら存じ上げませんが、前者は福岡、後者は長崎を拠点に九州で活躍する設計事務所。

地域に根差す実力派が設計した建築も素敵。

日本全国津々浦々、こうした「地産地消」建物はきっと他にも数多あるはず。

旅先で偶然出会う名建築。

予備知識なしに純粋に味わう名建築。

特に本建物には、隣の博物館に入館拒否を喰らわなければ出会うこともなかったでしょう。

ナガサキピースミュージアムに感謝😏

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基本情報

長崎港松が枝国際ターミナル
設計:NKS2アーキテクツ+Intermedia
竣工:2010年
場所:長崎県長崎市
訪問:2026年8月

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