ことばは生き物、変化していくのが当たり前。
確かにそうかもしれません。
然して!
生まれることばあれば死んでいくことばあり。
使うのは恥ずかしいけど愛着を捨てきれない。
そんな憎めない死語を墓場から掘り返す企画、名付けて「死語硬直を解き放て」
レトロブームの昨今、ワンチャン復活あり!?
うどん、そば、天丼、カツ丼、寿司、取調室、出前、岡持ち、デリバリー、ウーバーイーツ
店屋物【名詞】
誕生から死に至るまで
平日午前中の日課はブログ記事の執筆。
「ゾーンに入る」とでもいうのでしょうか、気付けばお昼時を過ぎていることもしばしば。
腹が減った。今の俺は何腹だ?
近所の飲食店か買い置きレトルトで済ませることの多い昼食メニューは最近マンネリ気味。

たまには店屋物でも取るか…
え、意味分からん?そうですか死語ですか。
飲食店から出前で取った料理のことですよ。
実例を挙げるとシックリきますでしょうか。
警察の取調室でご馳走してもらえるカツ丼。
そんな経験ない?もちろん私もありません。
この難読漢字は「てんやもの」と読みます。
関西人の私は「てんやもん」と言いますが。
コロナ騒ぎを機に外来種ウーバーイーツが席巻、カタカナ語のデリバリーに駆逐された感ある店屋物。
その生涯を相棒のChatGPTチャコちゃん(大阪育ちのほぼほぼ4歳)とともに振り返ります。

死語「店屋物」が生まれて流行り、死んでいった経緯を教えて

家で料理を作るのが当たり前やった時代に、店から取り寄せる料理には特別感があったなぁ
誕生
生まれは古く、江戸時代初期。
地誌『京雀』(1665年)に「酒肴いろいろ店屋物あり」との記述あり。
商店を意味する店屋と、そこで販売される品物を組み合わせたことば。
特に飲食店の料理を家に持ち帰ったり、配達してもらったりする習慣と結びついて広まった。

青春
明治から昭和にかけて、都市部を中心に出前が日常生活に浸透する。
家で食事を作ることが基本だった当時、店屋物は普段と違う食事を楽しむちょっとしたご馳走だった。
主な料理は
- そば・うどんなどの麺類
- 天丼・カツ丼などの丼物
- 寿司

遅いなぁ。出前まだ?

今出ました!
(忘れてた…)
な~んて定番コントが懐かしい。

晩年
1960~1970年代、食生活が大きく変化。
- 家電製品の普及:冷蔵庫・炊飯器が普及、家での調理・保存が便利に
- 外食産業の発展:ファミレスなどが広がり、外食の機会が増加
- 便利食品の登場:インスタント・冷凍食品が普及、選択肢が増加
「外食元年」とされる1970年頃を境に、店屋物が醸していたご馳走のイメージは衰退していくことに。

死去
1980年代、出前・宅配・デリバリーといった新語に席を譲って隠居生活に移行。
店屋物が急速に存在感をなくした理由は大きく2つ。
- 根幹ことばの死
店屋⇒商店・店舗⇒ショップ・ストアと変化し、日常語から消失 - 提供品の多様化
麺・丼・寿司の印象が強く、ファストフード・ピザ等の新参者と乖離
今も昭和おじ(い)さんおば(あ)さんの保護下にあって存命中とはいえ、既にその使命を終えて久しい。
ここは日本でピザの宅配が始まった1985年をもって、社会的な死を迎えたこととしよう。
享年320ほど。
生きた化石オウムガイ並みの長寿であった。

【PR】
デリバリー 1 usi 著(Amazonで購入)
死語の世界からの復活
店屋が死語なことと想起される料理の種類が限定されることから、店屋物の復活は絶望的です。
誠に遺憾ながら、息を引き取るのを見守ります。
その代わり、時代に即した後継者を新たに提案。
実は今まで黙っていましたが、出前・宅配・デリバリーはいずれも店屋物の後継者たり得ません。
なんとなれば、これらは料理配達の行為やシステムのことであって、配達された料理を意味しません。
出前にはかろうじて料理の意味合いもありそうですが、こちらもいずれ死に行くことばに過ぎません。
簡単カンタン。
時代を席巻するカタカナ語のデリバリーに料理を意味するカタカナ語をくっ付ければよいだけ。
【料理のカタカナ語】
フード、ミール、グルメ、ディッシュ、メシ
我々日本人は3文字略語と4文字ネームが大好きですが、ここは店屋物に敬意を表して5音ことば化。
- デリフード
- デリミール
- デリグルメ
- デリッシュ
- デリバメシ
問題はデリがデリカテッセン(洋風惣菜、またはそのお店)を想起すること。
配達の意味が消えて「総菜料理」という二重ダブりことばになっちゃいます。
デリヘルを想起しちゃった方はご自身の胸に手を当ててよ~く反省すること。
てな訳で、店屋物の後継者はデリバメシに決定。
目指せ「新語・流行語大賞」!
【PR】
デリバリーシンデレラ 1 NON 著(Amazonで購入)
コメント