サンフランシスコ訪問記③ 普通の観光客は無縁のマニアックツアー

海外の旅
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かつてサラリーマンだった頃、4度にわたり訪問の機会に恵まれたサンフランシスコ。

何しに?ってもちろん仕事(にかこつけた観光)。

「仕事は段取りが全て」を座右の銘とする私は現在、来る日に備えて自ら走馬灯を準備中death。

てな訳で、身辺整理のため二昔前にタイムスリップ。

KEYWORDS

サンフランシスコ観光、裁判所、空港、聖堂、免震構造、免震ゴム、スライダー、シカゴピザ

第9巡回区控訴裁判所

2010年7月、シスコ2日目の朝。

お仕事で建物視察(にかこつけた観光)。

実はこう見えても私、いちおう建物の耐震技術については少しウルサくて専門は免震構造。

建物と地面の間に免震ゴムを挟んで建物がゆっくり揺れるようにすることで地震の衝撃を和らげる技術、といえば雰囲気伝わります?

日本と同様、しばしば大地震に見舞われる米西海岸は地震に関する技術が優れた地。

ユニークな発想の独自技術が実際の建物に使われていて、本日はその開発者自身が案内役を買って出てくれます。

最初の訪問先は第9巡回区控訴裁判所(US Court of Appeals for the Ninth Circuit)。

普通の観光客が訪れることはないでしょうなぁ…


完成の翌年1906年の大地震で焼け野原となった街で焼け残り、「復興と希望の象徴」として1910年に完全修復。

1989年の大地震で甚大な被害を被り、大規模な修復工事を経て1996年に免震建物として蘇ります。

日本ならばとっととブッ壊して建て直しそうなところ、ここはどっこいカリフォルニア。

歴史的な建物の美観を残して最新技術と融合させるという離れ業を見事やってのけます。

伝統保存と進取の精神を上手くマリアージュさせる理想主義はアメリカ人の長所。


1906年焼け野原 & 免震スライダー

免震建物を支える「縁の下の力持ち」は日本では免震ゴムが圧倒的に主流ですが、米ではスライダー(Sliding Bearing)がタイマン勝負を挑みます。

然るに、米技術者はゴム派とスライダー派に分かれて喧々諤々論争を繰り広げるように。

本日はスライダー派のボス直々の案内ゆえ、私はおとなしく彼の主張に聞き入ることに。

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サンフランシスコ国際空港

続いて2000年に当時世界最大の免震構造としてオープンしたサンフランシスコ国際空港へ。

日本ならば技術的困難さから免震構造を断念しそうなところ、ここはどっこいカリフォルニア。

「案ずるより産むが易し」とばかり、こんな巨大建物を免震にしてしまう豪胆さはアメリカ人の長所。

まずは美しさと技術の高さが共存するトップライトに見惚れ、意外と安普請な天井の仕上げに苦笑い。

しかし、目当ては屋根と天井ではなくて床と地下。

普通の利用客が注目することはないでしょうなぁ…

まずは床。

免震建物はその機能上、建物と地面の間に数十cmの溝を必要とします。

通る度に飛び越える訳にもいかんので普段は蓋などで塞いであり、いざ地震のときは跳ね上がったりズレたりする仕様。

同行の学生さんと一緒にシゲシゲ床を見つめます。

端から見ると変人にしか見えませんが、興味の対象に魅入られた技術者は人目なんて気にしません。

今頃きっと彼らは優秀な技術者として活躍中。

続いて地下。

案内を買って出てくれたスライダー派のボスが自ら開発した「彼が子」を拝みます。

う~ん、日本人の感覚からすると施工が雑過ぎる。

せっかくの先進技術がぞんざいな扱いを受けて不憫に見えるのはナイーブな日本人ゆえでしょうか。

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光のキリスト大聖堂

最後はスライダーボスが自ら運転するクルマでベイブリッジを渡り、対岸のオークランドへ。

2005年完成の光のキリスト大聖堂(The Cathedral of Christ the Light)を訪問します。

日本ならば神のご加護があれば免震は不要と考えがちなところ、ここはどっこいカリフォルニア。

先進技術への信仰が神のご加護に勝る、という身も蓋もないリアリズムはアメリカ人の長所。

まずは美しさと技術の高さが共存するトップライトに見惚れ、先進のデジタル技術で蘇ったキリスト様を拝みます。

しかし、目当ては屋根と神ではなくて床と地下。

普通の礼拝客が注目することはないでしょうなぁ…

まずは床。

免震建物はその機能上、建物と地面の間に数十cmの溝を必要とします。

溝はその目的上、建物外周に沿ってぐるっと一繋がりでなければなりません。

ここはエントランス付近だけ溝が建物内に入り込む凝った仕様。

おっ! ラッキーなことに蓋が開いている。

同行の同僚と一緒にシゲシゲ穴を覗き込みます。

端から見ると変人にしか見えませんが、興味の対象に魅入られた技術者は人目なんて気にしません。

しかし、残念ながら「彼が子」は見えず。

きっと神のご加護を受けて地下の暗闇で神々しく輝いていることでしょう。

なお、建築好きなら別記事「The Cathedral of Christ the Light|NO神頼み~建築徘徊19」もぜひ。

建物視察(にかこつけた観光)を終え、遅い昼食はスライダーボスお薦めのシカゴピザ。

オークランドでシカゴピザ。なんで?

「ご当地グルメなんて知ったこっちゃねぇ!」てな感じの荒っぽさはアメリカ人の長所。

ド迫力のピザも美味なれど、ビールが最高!

さすがはクラフトビールのブームに火を付けたカリフォルニアです。

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