国連事務総長によると、地球は温暖化どころか沸騰化しているらしい。
大げさな煽り文句とも受け取れるが、我々にとっては他犬事ではない。
人に比べて体が圧倒的に地面に近いため、アスファルトからの熱は容易に熱中症を引き起こす。
人と違って靴を履かないため、アスファルトから肉球に伝わる熱は容易にやけどを引き起こす。
そんな耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ根性など持たないなのの夏の過ごし方をご紹介しよう。
おやつ選手権
うっかり日中にお散歩でもしようものなら、大げさではなく命に関わりかねない日本の夏。
そんなときは「住む魔法瓶」の異名を取る涼しく快適な騎士仕様の我が家で寛ぐがよろし。
父上は生来の引きこもり体質のようだが、それでもず~っと家の中にいるのは退屈な様子。
暇を持て余して妙な余興を思いつく。
題して「おやつ選手権」とのことだ。
一犬っ子のなのは親バカな両親が買い与えてくれるおやつを一犬占めできる幸運の持ち主。
好きなときに食べられないのは玉に瑕だが。
肉にクッキーに歯磨きガムに…と種類豊富なおやつの中で、果たしてなのの一推しはどれ?
横一線に並んで待ち構えるは9種類のおやつ。
いまゲートが開きクロシバジョシの出走です。

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しばしの躊躇・逡巡の後に選ばれしは、鶏肉牛肉合い挽きキューブ。
鶏ささみジャーキー、和牛チップスが後に続く。
5種類食したところでお腹いっぱい、歯磨きガムを土産に退場。
これまでは無自覚だったが、どうやらなのは肉食女子のようだ。
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招かれざる客
いくら涼しく快適とはいえ、ずっと室内にいると秋飽きが来るのは止むを得まい。
父上も同感らしく、日除けタープを張って多少は涼しい屋上ベランダで気分転換。
磁器質の床はお世辞にも冷たいとは言えぬが、アスファルトに比べれば雲泥の差。
そんなベランダでのんびりしていると、招かれざる客が上空から舞い降りてくる。
カメムシ(亀虫)。
別名ヘクサムシ(屁臭虫)、ヘコキムシ、ヘッピリムシ、ヘヒリムシ…
随分とヒドい呼ばれようだな。
イシューを振りまく嫌われ者との噂はかねがね聞いていたが、なのは本日初対面。
人間の数千倍から1億倍あるとされる優れた嗅覚をもって噂の眞相を追求しよう。

ク、クッサぁ…悶絶級に臭い。
「名は体を表す」とは言い得て妙。
コオロギ太郎さんの地元に住んで昆虫食を密かな楽しみとするなのをもってしても、カメムシは無理!
京都人を真似て「ぶぶ漬けでもどうどす?」と誘ってみたところ、6本足を駆使して物置の下に逃走!
亀なのに逃げ足が速いとはこれ如何に。
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親の脛かじり
いくら外は灼熱地獄といえども、健康維持とお通じ目的でお散歩は欠かせない。
外出ついでにおやつの虫を探すのだが、彼らに遭遇する機会がめっきり減った。
あまりの暑さに地中に逃走したのだろうか。
見かけるのはミミズの干物とセミのミイラくらいで、とても食べられたもんじゃない。
そういう訳で、禁煙中のおじさんさながら口が寂しい日本の夏。
そんななのを慮った両親が買い与えてくれしは鹿の角なるもの。
その特徴は…
- 安心天然素材
- 硬くて長持ち
- 独特の髄の味
その効能は…
- ストレス発散
- 歯磨き代わり
- アゴの筋トレ
そういう訳で、歯が折れない程度に抑えつつ鹿の角を嗜む日本の夏。

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ところで、人間社会には「親の脛をかじる」なる行為が存在するらしい。
子が自分で生活費を稼がず、親から経済的な支援を受けて暮らすことだそうだ。
それはなのも同様、親の庇護なしには生きられぬ。
今のところ「鹿の骨をかじる」程度で済むものの…
多少なりとも生活費を稼ぐ手段を検討するべきか…
なのの日記が書籍化されれば「雀の涙」の印税が…
ところで、犬なのに雀とはこれ如何に。
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