キャンディーズのヒット曲『暑中お見舞い申し上げます』をご存じか。
夏の日の太陽のまぶしさを♬まぶたに口づけ 受けてるみたいな♬と例える爽やかな歌。
だがしかし、もはや太陽はまぶたに口づけどころかまぶたに噛みつく勢いの過激派に変貌を遂げた。
ところで、生後7ヶ月の柴犬がなぜ半世紀も前の歌を知っているのかって?
さぁ。きっと前世で聴いたんでしょ。
血の日曜日
黒い毛皮を着るなのは夏が苦手だ。
雨か槍が降る日を除いて朝夕お散歩には出掛けるのものの、暑さのせいで歩行距離は減少傾向。
そうなると持ち上がるのが爪問題。
十分な運動量があれば地面との摩擦で研がれて自然と短くなるのだが、どうやらそろそろ限界。
動物病院で震える父上に切られて以来のご無沙汰、今回は自宅で父上の膝上に抱えられて実施。
まずは左の前足から。
内側から順に切られ、左端の爪に達したとき。
痛い。深爪が過ぎる。
肝っ玉の据わったなのはキャンディーズのキャの字もなく平然としているが、爪の先は流血の惨事。
なのの血は血小板が少なくて固まらない恐れがあり、案の定ポタポタといつまでも血が止まらない。
本日あいにく日曜日。血の日曜日。
動物病院はどこもかしこも休診日。
肝っ玉の据わらない両親は涙目で狼狽。
兎にも角にもタオルやティッシュペーパーで傷口を押さえられ、30分ほども経ったであろうか。
どうやらなんとか血が固まったようだ。
沸騰化する地球に暮らすがゆえの受難。


受難1時間後 vs 10日後
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想い出の渚
黒い毛皮を着るなのは夏が苦手だ。
多少は日差しが和らいだ週末の夕方、爪の傷が癒えたなのは大好きな海辺までお散歩。
ただし、砂浜を走り回って友達とワンプロに興じるのが好きなのであり、打ち寄せる波は怖くて嫌い。
そこのところ誤解なきよう願いたいのだが、父上は知ってか知らずかなのを波打ち際まで連れて行く。
♬君を見つけた この渚に 一人たたずみ 思い出す♬などと口ずさみながらニヤニヤと笑みを浮かべる。
これは確信犯だな。イジワル。

肝っ玉の据わったなのでも怖いものは怖い。
海に近い街に暮らすがゆえの受難。
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いい湯だな
黒い毛皮を着るなのは夏が苦手だ。
多少は日差しが和らいだある日の夕方、父上がなのを屋上ベランダに連れ出す。
どうやら暑さにヘばるなのを慮ったらしく、ビニールプールが設置されている。
2週間毎のシャンプーはおとなしく受け入れるが、実のところなのは水に濡れるのが好きではない。

そこのところ誤解なきよう願いたいのだが、父上は知ってか知らずかなのを抱きかかえて水に浸ける。

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なるべく濡れないようにと前足を上げるなのを不思議そうに見ていた父上。
自らもプールに足を入れるや歌い出す。
そこはプールとは名ばかりの足湯。
灼熱の太陽に照らされたぬるま湯。
「これぞ『焼け石に水』やぁ!」と軽口を叩きつつ蛇口から水を注ぎ足す父上。
再びなのを抱きかかえてお湯に浸ける。

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ご覧頂きたい。なのの醒めた目つきを。
繰り返しのことで恐縮であるが、なのは水に濡れるのが好きではない。
水温の問題ではないのだ。
シャンプーのときにもっと暴れて水嫌いをアピールすべきだったとの「後悔先に立たず」。
鈍感な両親のもとで暮らすがゆえの受難。
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