半年後にコロナが世界を席巻することになるとは露知らずの2019年夏、妻とおフランス縦断旅行に出かけました。
パリ~バーゼル(スイス)~リヨン~プロヴァンス~マルセイユ。
これは、油断も隙もありまくりのポンコツ夫婦が苦難の旅の果てに無事に祖国・日本に帰りつくまでの物語であ~る。
(ぷろじぇくと〇ーっくす)
警察署で日本語ペラペラ美女に邂逅
警察署に到着。
マシンガンを抱えた警官がゾロゾロたむろするエントランス前を抜けて署内の受付へ。
「財布をスラれました。」「ジャポネ?」「うぃ」
待つこと数分、現れたのはイカつい警察署には似ても似つかぬそれはそれはかわいらしい美女❤
しかも流暢な日本語で「どうしましたか?」ときたもんだ。
財布そっちのけで事情を訊くと、日本語を勉強中の大学生。
私のような哀れな日本人を助けるために警察署でボランティアだそうです。
「これから一緒にお食事でもどうですか?」と言いたいところですが、こちとら一文無しの妻子持ち。
あきらめて財布をスラれるまでのことを思い出しながら、彼女の質問に答えていきます。
いわゆる事情聴取というやつでしょうか。
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メトロのおフランスリ野郎
日本語ペラペラのおフランス美女に見とれながらおフランス到着後の3時間を振り返ります。
メトロの駅で切符の回数券を買ったときは確かに財布を持っていました。
凱旋門のショップでは財布がなくなっていました。
待てよ・・・
あ”あ”あ”ぁ‼ あいつか‼ 改札で後ろから私の背中に体をグイグイ押し付けてきたガタイのいいおっさん‼
アッチ系(GAY)どころかおフランスリ野郎やんけぇ‼
犯罪者を特定できましたが、まあ捕まらないでしょう。
万が一、否、億が一財布が見つかったときのために日本の連絡先をおフランス美女に伝え、警察署を去ります。
日本に来たら連絡ちょうだいね。
【注】5年経った今もまだ財布にもおフランス美女にも再会できていません。
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パリ初日から野宿は勘弁
それからどうやってホテルに戻ったのか記憶がありません。
トボトボ歩いたのでしょうか。謎です。
とにかくホテルに辿り着き、預けていた荷物を受け取ってチェックインです。
「デポジット、シルブプレ」(預り金を寄こせ)
は?
忘れてました。
海外のホテルって宿泊客を信用しないんですよね。
恐る恐る「財布をスラれました。一文無しです。唯一の希望は妻のJCBカードです。」
「おお、それはお気の毒に。JCB使えますよ。」ふぅ、命拾いしました。
パリで野宿なんてしたら夜中に身ぐるみ剥がされてセーヌ川に浮きかねません。
【注】海外ホテルでのデポジットは一般的にクレジットカード払い、チェックアウト時に清算されて戻ってきます。
あまりにも長い1日を終え、部屋のベッドに倒れこみます。
狭い狭っい部屋のテーブル上にはカラフェに入った水。
「お! 気が利くやん」ゴクゴク。疲れ切った体に沁み渡ります。
これが新たな苦難の序章になるとは、この時点では夢にも思わず。
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