森の隈さんの物語を知ってから2年後のこと。
「坂の上の雲」を訪問済みの身としては「雲の上」まで登らねば無礼に当たるというもの。
てな訳で、世界の巨匠・隈研吾さん設計の雲の上のギャラリーを目指して高知の山奥の僻地(失礼!)にクルマで向かいます。
ていうか、交通手段はクルマ以外になさそう。
なんてったって雲の上、これより高所はカリン塔と国際宇宙ステーション(ISS)くらいでしょうか。
負ける建築、梼原町、刎橋、杉集成材、ハイブリッド、中土佐町、カツオの一本釣り、藁焼き
訪問記
鬱蒼とした美しい森の中に美しい木組みの橋が見えてきました。

「いつでもどこでも雨かドン曇り」を標榜するポンコツ夫婦は本日も平常運転。
しかし、白い霧が立ち込めて幻想的な雰囲気を醸しており、今回は雨がプラスに作用しています。
地場産らしき杉の木で組まれた橋のたもとへ。



木造とはいえ結構な重さの橋桁を木の柱だけで支えるのは大変そうで、鉄骨フレームが目立たずさりげなくアシスト。
リズミカルに連続する木組みは日本の寺社仏閣の軒裏を想起させて神々しささえ感じられます。
「刎橋(はねばし)」と言って「刎木(はねぎ)」と呼ばれる木材を下から順次せり出し組み上げて橋桁を支えるしくみ。
現存しない江戸時代の架橋形式とのことで、こちら鉄骨とのハイブリッドとはいえども伝統技術を後世に残す貴重な存在。
忘れ去られた過去の技術に光を当て、現代の技術と感性で蘇らせる隈さんの探求心と心意気に感服。
さて、雲の上ならぬ橋の上に。


屋根付きゆえに雨の日も安心。
間近で見ると刎木が集成材であること、これらを鋼製ボルトで緊結していることがよく分かります。
地場杉を使って伝統技術と現代技術を融合。
いいね!
開いていたガラス扉から侵入して寛ぐカエルを横目に橋を渡ります。


木で囲まれた空間の先から射し込む光は北欧の教会を想起させて神々しささえ感じられます。
ギャラリーゆえにアート作品があるやろうと橋内を探索していると、あったありました。

ここ梼原(ゆすはら)町の隈建築紹介パネルが一堂に会しています。
部外者お断りのYURURIゆすはらを除きほぼ全て徘徊済みの私、散々イジってる割には隈建築ファン?
よろしければ雲の上の図書館、梼原町総合庁舎・まちの駅「ゆすはら」の徘徊記録もぜひ。
どうしてこんな辺鄙な山奥(失礼!)に世界の巨匠の建築が密集してるかって?
それは上に紹介した過去記事や下に紹介する書籍をご覧くださいませ。感動するよ。
さて、徘徊もそこそこに先を急ぎます。
愛媛県宇和島市から高知県中土佐町に向かう道中のここはやっと中間地点。
遠路遥々何しに行くんやって、カツオの藁焼き(たたき)を食べに、ですわ。
中土佐の久礼はカツオの一本釣りで有名な地区。
藁焼きは高知の伝統的調理法で、藁の強力な炎で表面を一気に焼き上げて燻煙の香りをまとわせます。

これを塩で食べると冗談抜きにほっぺた落ちます。
冗談です。
隈建築の聖地・梼原とカツオの聖地・中土佐はクルマで1時間ほどの距離。
どっちがメインか微妙ながら両方味わう至福の1日。
建築徘徊の醍醐味は建築と一緒に各地の豊かな文化伝統に触れられること。
死ぬまで続けられたら幸せdeath。
あらら?カツオにすっ飛ばされて隈さん行方不明。
橋の全貌がよく分かる動画を紹介して、最後に強引に建築の話に戻しておきます。
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基本情報
雲の上のギャラリー
設計:隈研吾
竣工:2010年
場所:高知県高岡郡梼原町
訪問:2019年5月
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