日向市駅|建築と土木と都市計画の境界を跨ぐ内藤廣~建築徘徊71

建築徘徊
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2025年の夏は建築家・内藤廣さんが熱い!

渋谷ストリーム展覧会紀尾井清堂でご自身の手帳公開企画が開催中。
【注】会期は各々7.25~8.277.01~9.30

てな訳で、この熱いストリーム(流れ)に乗って、はるばる宮崎県日向市にやって来ました。

目的はもちろん内藤建築。

日向市駅を訪問します。

KEYWORDS

駅舎建築、宮崎杉、地産地消、腐る建築、公民協働、区画整理事業、特定商業集積事業

訪問記

死ぬまでに全国47都道府県を全て制覇するため、これまで未訪問だった宮崎県を旅しています。

レンタカーで向かうは雄大な日向灘に面するその名もズバリ日向市

人口5.6万人ほどの小ぶりな街に素敵な駅があると聞きつけてやって来ました。

駐車場にクルマを停めて見渡す駅舎はかな~り横長でカメラに収まりきりません。

遠ざかって眺めると、駅のホームは鉄骨柱とガラスの透明感溢れるデザイン。

お堅いJRの駅にありがちな市民を見下す威圧感や事務的は冷徹さは感じられません。

近寄ってみましょう。

ん? の庇(キャノピー)が高架から生えてる?

庇は建築。高架は土木。それがどうした?

いやこれ、もしかしたら大変な偉業ですよ。

こう見えても私、いちおう大学と大学院で建築学を専攻。30年以上も前のことですが。

校舎は入って右が建築学科、左が土木学科でした。

で、有体に言うと仲が悪いのですよ建築土木は。

な~んにも交流がないどころか、お互いに相手の悪口を言い合う関係。

ここで内藤先生が本領発揮。

建築家でありながら10年間も土木学科で教授を務められた経験が生きてきます。

「まぁまぁ君たち仲よくしたまえ。世間様にとっては建築土木同じ穴のムジナ」と両者の自意識過剰を戒めて境界領域に斬り込みます。知らんけど。

縄張り争いが激しい紛争地帯に優しい風合いのみやざきスギを使うことで空気を和らげます。

駅舎の入口回りも材がふんだんに奢られます。

腐る建築」と揶揄されないよう、巧みなディテール処理で雨掛かりは最小限。

「クマとは違うのだよ、クマとは!」という内藤先生の心の叫びが聞こえます。たぶん幻聴です。

市民を装い中へ。誰でも自由に入れますが。

入場券200円ナリを買えば誰でも入れる改札の奥へ。

内藤色控えめの階段でホーム階に上がります。

おぉ! 柔らかい流線形状をした集成材の梁は続くよどこまでも。いや、ホームの端で終わり。

銀座線渋谷駅の原点見たり! あっちはですが。

とはいえ、こちらも何が何でも無理ムリを使う訳ではなく、のいいとこどりハイブリッド。

「クマとは違うのだよ、クマとは!」という内藤先生の心の叫びが聞こえます。たぶん幻聴です。

猛スピードで駆け抜ける電車を見送って再び外へ。


西口 vs 東口

駅の東西は高架下を通って自由に行き来できます。

あり余る土地(失礼!)を生かした広々と緑豊かな空間が青空の下で何とも気持ちよい。激暑ですが。

いやこれ、もしかしたら大変な偉業ですよ。

駅前は建築とも土木とも異なる都市計画の縄張り。

1960年代、東大に新設された都市工学科の教授に帝王・丹下健三さんが就任したことをきっかけに事態はますます複雑化。知らんけど。

都市計画建築土木の仲を取り持つ愛のキューピッドなのか、はたまた対立を煽り漁夫の利を狙う知能犯なのか、私は寡聞にして存じ上げませぬ。

少なくとも内藤先生が三者の仲を上手く取り持ったことは、この爽やかな駅前広場から一目瞭然。

水面下では並大抵ではない議論・折衝や気苦労があったのかもしれませんがネ。

建築主・設計者・施工者の三位一体による優れた建物に付与されるBCS賞に相応しい傑作!

しかし本作品、建物なのか駅舎なのか公共施設なのか、呼び名で揉めてたりして。知らんけど。

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基本情報

日向市駅
設計:内藤廣
竣工:2008年
場所:宮崎県日向市
訪問:2025年8月


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