光の教会に続いてご紹介するのは水の教会。
これまた世界の巨匠安藤忠雄さん初期の代表作の1つです。
建物名から推測するに予算不足で屋根がなくて、訪問時に雨が降らぬよう神にお祈りする青空教会なのですかね。
とにかく行ってみましょう。
訪問記
目的の建物は北海道の星野リゾート トマム敷地内にあります。
まず最初に残念なお知らせ。
この建物を見るためには基本的にリゾート内のホテルに宿泊しなければなりません。
一般公開されているとはいっても夜の8時半~9時半のみ。
近隣の人以外、他に泊まるところも帰るところもないよ。
という訳で、清水の舞台から飛び降りる覚悟でなけなしの貯金をはたいて星野リゾートのホテルを予約。
到着したのは夕方5時半。
どうにも悪趣味(失礼!)なツインタワーのホテルがお出迎えです。
結婚式でも挙げない限り教会が見られるのは夜の1時間に限られますので、リゾート内のレストランで高級?ディナーを頂きながらその刻を待ちます。
一般開放直後の時間帯は(特に海外からの)団体客で混雑するとの噂ですので、少しズラして9時前に訪問。
見えてきました。が・・・
暗い、暗いよ!
コンクリート製の十字架軍団が待ち構えています。
安藤ファンとキリスト教徒の皆さんごめんなさい、素直に言って墓地のようです。
この十字架、ひょっとして光の教会のスリットにスッポリはまるのでしょうか。
いかにも安藤建築なコンクリート壁に挟まれた一定曲率の円弧状階段を下ると本殿?に到着。
巨大な窓ガラス越しにどうやら人工池があるようですが、暗いのでよく分かりません。
巨大窓の十字架サッシと呼応するかのように奥に生えているのは水上の十字架ですね。
サッシを叩いたら音叉みたいに共鳴しそう。
はい終わり。
滞在時間ものの30分ほど。
ホテルの部屋へ戻る途上で名残惜しくて何度も振り返りますが、見えるのはやはり暗闇にボ~ッと浮かび上がる十字架軍団のみ。
なんだかな~。
翌朝。
晴れ渡る青空のもと、バブル時代の終焉とともに一度は死に絶えて墓場と化した施設のシンボルタワー群が私たちを見下ろしています。
水の教会が完成したのは1988年。
日本中が狂気じみたバブルのバカ騒ぎに浮かれていた頃と重なります。
あの十字架軍団はのちのバブル崩壊~失われた30年を予見した批判のアイコンなのでしょう。
さすが安藤さん、時代の先を見通す目をお持ちです。
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基本情報
水の教会
設計:安藤忠雄
竣工:1988年
場所:北海道勇払郡占冠村
訪問:2018年3月
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