鎌倉のアイコン鶴岡八幡宮の境内に池に浮く白い箱のような建物が佇んでいます。
鎌倉文華館鶴岡ミュージアムは文字通り元祖「箱もの建築」、神奈川県立美術館として戦後間もない1951年に完成しました。
訪問記
建物に近づいていくと、池どころか空中に浮いているように見えます。
目の錯覚でしょうか。
1階がピロティになっていて、2階が膨張色の白でまとめられているからでしょう。
建物の周囲を巡ってみます。
池側ほどではありませんが、やはり浮遊感が漂います。
建物裏面の大きな外階段は現在では使われていませんが、以前はこちらが入口だったようです。
いきなり2階に誘い込むということは、この浮遊感はやはり設計者が意図したものなのでしょう。
表側に戻って中に入ります。
ピロティの白い天井に映える水面のきらめき、むちゃくちゃキレイ。
細い鉄骨の列柱が石の上に載っていて、西洋建築と日本庭園のマリアージュを感じさせます。
(実は柱は石を貫通しているとのことですが。)
私の大好物、大谷石でできた壁を発見。
大谷石と言えば真っ先に(旧)帝国ホテル・ライト館が連想されますが、ここでの使い方も素敵です。
規則的に穿たれたガラス開口から日の光が射し込み、幻想的な雰囲気が漂います。
これも私の大好物、階段です。
黒い壁を背景に真っ白い階段が映える映える。
直線基調でありながら、手すりをはじめ要所は艶めかしい曲線美。
大好き。
設計者の坂倉準三さん、20世紀の巨匠建築家ル・コルビュジエ(05から4回連続で特集ですよ)のお弟子さんなのですが、この階段にものすごく師匠色が現れていると感じます。
いやあ、小ぶりな建物ですが見どころ満載です。
池に面するピロティに佇んで、スピッツの「ロビンソン」「空も飛べるはず」を聞きながら一日中読書していたい。
気付いたら空に浮かんでたりしてね。
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基本情報
鎌倉文華館鶴岡ミュージアム(旧 神奈川県立美術館)
設計:坂倉準三
竣工:1951年
場所:神奈川県鎌倉市
訪問:2021年11月
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