死ぬまでに全国47都道府県を全て制覇するため、これまで未訪問だった大分県を旅しています。
幼児期に祖父母を訪ねて来たことはありますが、自分の意志じゃないのでノーカン(死語)。
レンタカーで向かうはベタな観光地の由布院。
磯崎新さん設計の駅舎を訪ねます。
帝王・丹下健三さんの弟子にしてライバル。
お二人は”建築界のノーベル賞”と言われるプリツカー賞を仲よく受賞するなど共通点多し。
(磯崎さん2019年、丹下さん1987年)
大分旅行、由布院観光、駅舎建築、木造駅舎、クロスヴォールト、師弟関係、ライバル関係
訪問記
由布院と聞いて思い浮かぶこと。
本来は静かに風情を味わうべきはずが、過度に観光地化されて人・人・人で埋め尽くされたテーマパークのような場所。
嵐山や鎌倉と同じ匂ひ。偏見でしょうか。
いつもなら「君子危うきに近づかず」と斜に構えて「高みの見物」を決め込むところですが、磯崎建築のために敢えて死地に飛び込みます。
ん? 意外にも駅横の駐車場にすんなり入れました。
ん? 意外にも駅前は人がまばら。うれしい誤算。
ん? 意外にもまっくろくろすけな木造。
磯崎さんの木造建築ってかなりレア? 知らんけど。
さて、もう1つ由布院と聞いて思い浮かぶこと。
由布院 vs 湯布院。どっちやねん。
街の顔たる駅の表記で白黒付けたろうやないか。
ん? ひらがな表記かよ。日和ったね。
で、結局どっちでもいいんだってさ。ふ~ん。
建築徘徊に戻ります。
ん? コンコース内は一転して真っ白しろすけ。
スッキリ爽やかな吹き抜け空間が頭上を覆います。
クロスヴォールト屋根は重々しい組積造の教会でよく見られる形式ですが、こちらフワッっと空に浮かび上がりそうな軽快な装い。
四隅を細柱で持ち上げて間にガラスを張った木造屋根ゆえのことでしょうなぁ。
屋根を支える朝日新聞社旗のような部材がお茶目。
コンコース横の待合室に向かいます。
白い壁、現しの木、ガラス天窓、朝日新聞社旗と爽やか要素満載でとても開放的な空間。
食事を貪る外人部隊にテーブル席が占拠されていて寛げなかったことは心残りですがネ。
そそくさと退散して、隣にできたツーリストインフォメーションセンターから眺めます。
(カタカナ語炸裂。観光案内所でええやん。)
ん? 観光案内所の木造柱・屋根は形が駅舎そっくり。
それもそのはず磯崎事務所出身の坂茂さんの設計。
師匠譲りの遊び心でしょう。
あるいは弟子が先にプリツカー賞を受賞(2014年)したことへの後ろめたさでしょう。知らんけど。
なお、由布院駅から少し離れた湯の坪街道は案の定、人・人・人で埋め尽くされておりました、ハイ。
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基本情報
由布院駅
設計:磯崎新
竣工:1990年
場所:大分県由布市
訪問:2025年8月
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