富山市ガラス美術館|隈研吾の建築は見た目が9割?~建築徘徊66

建築徘徊
建築徘徊
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2023GW

訳あって富山市にいます。

かのご高名な建築家・隈研吾さんの作品があるとの噂を聞きつけました。

有名税でしょうか。

氏の著書「負ける建築」をもじって「腐る建築」なんて非難を浴びることもしばしば。

そこまで言われる謂れがあるのか実況見分。

KEYWORDS

負ける建築、腐る建築、ファスト建築、木材ペタペタ、クマちゃんシール、ルーバー

訪問記

富山市はゴールデンウィーク真最中でも人がまばらで静かで快適。

のんびりフラフラ徒歩で現地を目指します。

見えてきました。

・・・って何でやねん! こっちや。

さん節炸裂。

意味があるのかないのか、計算づくなのかテキトーなのか・・・

様々な角度で貼られたガラス、アルミ、白御影石のパネル群が日光をキラキラ乱反射して宝石のよう。

この外観を見た私は45年ほど前にタイムスリップ。

京都府南部の片田舎に住むガキんちょどもが小学校の課外授業で近所の小高い山に向かいます。

そこは谷間にかわヨいサイズの水晶が生えていて、ちょっとした採掘気分を味わえる場所。

級友たちと夢中になって水晶探しに興じた懐かしい思い出が鮮烈に蘇ります。

建築を見て少年時代のノスタルジーに浸ることになるとは・・・井上陽水さんにしてやられました。

これは建物内も期待できそう。いざ入館!

え、ドユコト? 一転して木造建築の佇まい。

だがしかし、よく見ると、いやよく見るまでもなく安普請の鉄骨造。

梁の吹き付け耐火被覆が丸見えです。

屋根から吊り材を介してぶら下がるのは天井パネルではなくての板ども。

ルーバーならば等間隔でもっと密に配置され、遮光・通風・目隠しなど何らかの機能を持つはず。

呼んだ?

いや呼んでない。
あんたたちはウーパー・ルーパー。

スカスカ配置で単なる飾りにしか見えません。

飾りじゃないのよルーバーは HA HAN

鏡貼りの柱やアルミパネルのエスカレーターと相まって見た目は随分とよろしいようで。

動線は真ん中に大きなアトリウムを配し、エスカレーターで上へ上へと人(の好奇心)を導く様式。

建築🐎🦌がその誘惑に抗うことは不可能です。

てな訳で最上階へ。

上から覗き込むアトリウムはなかなかの解放感。
見晴らしよし、木のぬくもりよし。

同じ魂胆の建物は「建築徘徊」に登場しただけでもこの子この子この子と数多あり。

いずれもミュージアム系の用途なのでこれが王道の手法なのかもしれません。

館内に展示されるガラス作品はどれもインパクト大ですが、その中から1つだけご紹介。

デイル・チフーリさんの「トヤマ・ミルフィオリ」は有機的な形状とサイケな色合いで圧倒的な存在感。

さて、地上に舞い戻り本建築を振り返り。

内外観でこれほど受ける印象が異なるのは珍しい。

どちらも「建築は見た目が9割」と言わんばかりに飾りの板を張ったり貼ったりハッタリだらけ。

私はといえば、外観で少年時代のノスタルジーに浸り、内観で商業主義のファスト建築を憂う。

建物1つでこんなにも様々な感情を呼び起こされるのだから、さんはやはり世相を反映する大建築家なんだと再認識した次第でありんす。

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基本情報

富山市ガラス美術館
設計:隈研吾
竣工:2015年
場所:富山県富山市
訪問:2023年5月


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