2025年3月、企画展「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s」にお出かけ。
終の棲家を計画中ゆえこれを見逃す手はあるまい。
間取りはおろか詳細設計もほぼほぼ終わってるので手遅れ感は否めませんが。
訪問記
あいにくの雨。
いや、我々ポンコツ夫婦にとっては恒例の雨。
3月末で桜の満開も近いというのに、寒い、寒いよ。
六本木駅から徒歩で8年ぶりに国立新美術館へ。
ギロッポンはオサレでハイソでケーハクなパリピの街との印象とは裏原宿裏腹の閑静な住宅が連なる狭くて入り組んだ道を抜けて到着。
ウネるガラスボックス!
現代建築の主役ガラスは殺傷沙汰も辞さない硬派ぶりと存在感のなさが特徴。
しかしここは無数の水平ルーバーとウネウネ曲線が艶めかしく存在感をアピールしてきます。
正面に見える巨大カラカサタケはナンジャラホイ。
【注】巨大きのこの山説もあり。
近づいてみると名は体を表す傘置き場。
今日は大雨。気が利くね。
その先にある巨大とんがりCornはナンジャラホイ。
近づいてみると普通のエントランス。
館内は右も左も現代建築の残る主役コンクリートと鉄が凄い物量でガラスに負けじと自己アピール。
今後ひょっとすると主役に返り咲くかもしれない木はチラッと遠慮がちに顔を覗かせています。
それにしても未来感が漂いますなぁ。
エスカレーター辺りからパリのシャルル・ド・ゴール空港の雰囲気も漂いますが、もはや空港を超えて宇宙船の様相。
床にめり込む巨大アポロチョコはナンジャラホイ。
【注】巨大たけのこの里説もあり。
近づいてみるとトイレ&レストラン。
せっかくなのでエスカレーターで上へ。
アポロレストランはまだしも、1階のカフェは天井が高すぎて周りが広すぎて落ち着かないかも。
特に本日は雨模様につき、だだっ広い館内は外とさほど変わらぬうすら寒さ。空調能力足りてる?
コンクリート・鉄・ガラスの3兄弟はクールでシャープな印象を与える反面、よそよそしくて寒々しくて緊張を強いられるのは否めないところ。
天気がよければガラス壁を通して屋外の豊かな緑が目に入って心休まるのかもしれませんが。
それゆえガラス壁の反対側、展示室の壁には木が大々的に使われていてホッとします。
壁に仕込まれた間接照明が木の温もりを増し増しにする演出も素敵。
巨大トンガリコーンを見下ろしつつ帰ります。
なお、巨大ガラス壁のお掃除は大変やろうなぁとの心配はご無用。
隈なくキャットウォークが張り巡らされています。
ここでネコを遊ばせたら喜ぶやろな。
「ネコまっしぐら!キャットウォーク競歩大会~走ったらアカン!」なんてネコレース企画いかが?
設計者は本作の完成を見届けるように2007年に逝去された黒川紀章さん。
晩年は都知事選や参議院選に立候補したりテレビのバラエティ番組に出演したりが災いして?面白不思議じいさんの扱いを受けていました。
が、実は日本を代表する偉大な偉大な建築家。
今も世界中に多大な影響を及ぼすメタボリズム理論提唱者の一人です。
ぜひ本美術館で黒川さん回顧展を企画してほしい。
「黒川の紀章~福岡銀行本店から中銀座カプセルタワービル」なんてミステリー企画いかが?
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基本情報
国立新美術館
設計:黒川紀章+日本設計
竣工:2006年
場所:東京都港区
訪問:2017年10月、2025年4月
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