関西人の私(離れて30年以上経ちますが)にとって、東北は縁遠くて訪れる機会の滅多にない地方。
死ぬまでにその魅力を堪能しておこうと思い立ち、1年毎に各県を順に巡る旅をしています。
青森、秋田と来れば次はそう、岩手県。
2021年夏。
4日間の旅を振り返ります。
冷麺・じゃじゃ麺・わんこそば
3日目。
雫石町の鶯宿温泉を出発、県庁所在地の盛岡へ。
目的その1。
日本近代建築の父、辰野金吾さん設計の岩手銀行赤レンガ館を見学します。
言われなければ銀行だったとは分からないです。
ミニ東京駅で舞踏会でもすんの?ってな雰囲気。
日本が精神的に最も豊かだったかもしれない大正浪漫の時代を懐かしむ(生まれてないけど)にはもってこいの素晴らしい建物。
ご関心あらば別記事「建築徘徊39 岩手銀行赤レンガ館|時を超える辰野金吾の大正浪漫」もどうぞ。
目的その2。
盛岡三大麺のラーメン・つけ麺・僕イケメン、違った冷麺・じゃじゃ麺・わんこそばを食します。
しかし我ら年寄ポンコツ夫婦、3種類制覇はあり得へんので断腸の思いでじゃじゃ麺一択。
だって冷麺は東京でも食べられるし、わんこそばは少食の年寄りには向いてないんだもん。
(断腸したらどれも食べれへんとのツッコミ無用)
地元の方?観光客?えらい人気ですな。
20分くらい並んだでしょうか。人生初じゃじゃ麺。
盛岡のみなさまごめんなさい。
関西人の私はコシのある麺が好みです。
私たちを除くお客さんほぼ全員が麺を食べた後に生卵を溶き入れてスープにしてました。
お腹一杯で断念した私たちはお店の人に不思議そうな顔で見られましたとさ。
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日本三大鍾乳洞の一つ龍泉洞へ
盛岡を発ちクルマで走ること2時間、龍泉洞に到着。
ここは山口県の秋芳洞、高知県の龍河洞とともに日本三大鍾乳洞の一つに数えられるそうです。
龍河洞には30年近く前に行ったことがあります。
暗い洞窟の中、各所ブラインドコーナーを曲がると老齢女性が棒立ちしています。
唐突に無表情のまま抑揚のない声で生解説開始。
初体験時は恐怖で「ぎゃっ!」と叫ぶハメに。
今でもこのサービスやってるんかな。再訪したい。
閑話休題。
龍泉洞の話でしたね。
自然のなせる驚異の業にただただ唖然。
百聞は一見に如かず。とにかく行ってください。
注意点その1
通年約10℃と洞内かなり寒いので防寒のご用意を。
注意点その2
むちゃ急で狭くて長い階段だらけなのでご覚悟を。
自然の脅威と自然の奇跡の対比
旅は続くよ。
太平洋を望む宮古市にやって来ました。
建築好きとして避けて通れぬたろう観光ホテルへ。
2011年東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)による津波を受けて損壊、後にその脅威を後世に伝えるため整備された震災遺構。
自然のなせる脅威の業にただただ震撼。
1つの建物を作るには、計画~設計~建設~完成まで数年から数十年単位の時間がかかります。
それがあっという間にこのありさま。
月並みですがこの遺構を前に言葉を失います。
この記事を書いている本日は2025年1月17日。
1995年兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)からちょうど30年が経過しました。
震度7の激震に見舞われた神戸市に住んでいた私、幸いケガ一つありませんでしたが、その後の地獄さながらの光景は今も脳裏に焼き付いたまま。
「人間万事塞翁が馬」
日々を精一杯生きることが何より大切と再認識。
宮古駅近くでレンタカーを返却。
一関駅前で借りたので正確には乗り捨てかな。
ホテルにチェックインしてすぐそばの浄土ヶ浜へ。
どこかのお坊さんが「さながら極楽浄土の如し」と感嘆したことからこの地名に。(諸説あるかも)
自然のなせる奇跡の業にただただ感嘆。
極楽浄土の如く美しい景観を作り上げるかと思えば人間の営みを一瞬で破壊して地獄穢土にする。
自然界のあらゆるものに神が宿る(八百万の神)と考える神道が日本人に深く根付いている理由がよく分かります。
いつもおちゃらけたことばかり言ったり書いたりしている私も本日ばかりは神妙な面持ち。
残された人生の日々を精一杯生きていく所存です。
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