建築ファンにとっては死ぬまでに一度は訪れたい場所の1つかもしれません。
世界的有名建築家たちが手掛けた作品がひしめくように建ち並ぶマニア垂涎の楽園、ヴィトラ・デザイン・ミュージアム/ヴィトラ・キャンパス。
そんな訳で、はるばるドイツの片田舎まで遠征。
スイス・バーゼルを拠点とするのが便利かと思います。
現地までの道中については「初めてのフランス旅行は危険と罠の嵐⑪ 瑞・独の歓待、お仏の洗礼」もぜひご覧ください。
訪問記
今回の建築徘徊、クイズ形式と行きましょう。
建物写真を見て、誰が設計したか考えてみてください。
全ての設計者が分かる人はもはや変態級の建築マニアです。
尊敬します。
【第1問】
Vitra Design Museum(1989)
ウォーミング・アップです。ヒントはこちら。
いや、それ答えやん。
いつもウネウネのグニャグニャ、正解はフランク・ゲーリー(Frank Owen Gehry)さんですね。
1989年の作品ですから、彼がまだ気鋭の若手(といっても60歳ですが・・・)だった頃のもの。
ビルバオ・グッゲンハイム美術館で世界に衝撃を与える8年前です。
そんな訳でトレードマークのウネウネ・グニャグニャはまだ控えめです。
【第2問】
VitraHaus(2010)
これは難問、まだ建築徘徊には登場したことがない人たちです。
12棟もの切妻屋根の箱が様々な方角を向くように5層にわたって積み重ねられています。
全方位作戦ですな。
正解はスイスが誇る建築家ユニットヘルツォーク&ド・ムーロン(Jacques Herzog & Pierre de Meuron)。
2010年といえば、あの有名なプラダ青山店(2003)や北京国家体育場(2008、通称:鳥の巣)は竣工していますから、既に名声を確立した後の大御所作品と言えましょう。
【第3問】
Dome(1975)
ある種の人たちにとっては楽勝問題です。
はいは~い、建築構造を学んだ人たちですね。
1975年に工業的に製造・販売され、当初はアメリカ・デトロイトに建設されました。
2000年にこの地にフラーっと移設され、イベントスペースとして利用されているそうです。
正解は思想家・構造家のバックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller)。
フラー・ドーム(またはジオデシック・ドーム)で知られ、多くの建築家、構造家に多大な影響を与えました。
【第4問】
Fire Station(1993)
激ムズなので答えを見せちゃいます。
43歳にして珍しく実現した作品ですが、傾いた壁やまっすぐ歩けない床などが災いして「この消防署、使えねえ~!」との声多数、今では展覧会や特別イベントに使われるのみとのこと。
正解は「アンビルト(未完建築)の女王」ザハ・ハディッド(Zaha Hadid)さんです。
近年のものとテイストが違いすぎます。
コンクリート打ち放しの外観、直線基調の幾何学形状、どこかの誰かの作風に似ていますね。
このあと登場しますのでお楽しみに。
【第5問】
Factory Building(2012)
軸線・方向性のない丸い形状。
空に溶け込むような、重力を感じさせないような、軽やかな外装材。
デジャヴでしょうか。
いや、どこかで見たことがあります。
正解は日本が世界に誇る建築家ユニットSANAA(Sejima and Nishizawa and Associates)。
それぞれに名声を確立した妹島和世さんと西沢立衛さんがタッグを組む訳ですから、そりゃ強いわな。
みんな大好き金沢21世紀美術館(2004)を彷彿とさせるデザイン、中は名称の通りVitraの家具を製造する工場になっています。
【第6問】
Conference Pavilion(1993)
疲れてきましたね。最後はサービス問題。
コンクリート打ち放しの外観、直線基調の幾何学形状。ただおただし傾いていません。きっちり水平垂直。
正解は安藤忠雄さん、ハリウッド俳優や有名ミュージシャンが設計依頼に列をなす世界的巨匠です。
ガイドツアーの案内係さん、先のザハ・ハディッドの消防署をボロクソにけなし、対照的に安藤さんをベタボメ。
(英語力の問題もあり、私個人の感想です。)
彼女によると、この建物は無駄なものを一切排除して日本美学を体現しているとのことで、ただおただお絶賛。
ツアー参加の数十人の中で日本人は私たち夫婦だけ。すごく誇らしく嬉しくなりました。
ドイツ(はフランスと違って)ええとこやな。
【おまけ】
最後に、今回紹介しきれなかった建物やアート作品を少しだけどーぞ。
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基本情報
ヴィトラ・デザイン・ミュージアム(Vitra Design Museum)
設計:有名建築家たち(Famous Architects)
開館:1989年
場所:ドイツ ヴァイル・アム・ライン(Weil am Rhein, Germany)
訪問:2019年8月
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