このお方、当ブログに何度もご登場済みですが建物を単独で紹介するのは今回が初めて。
満を持して世界の巨匠安藤忠雄さんの登場です。
初めての訪問は30年近くも前の1995年、以来これまで計3度にわたり毎回違う場所を訪ねてきました。
ドユコト?
移動建築でしょうか?
種明かしはこのあとスグ!
訪問記
1995年初夏。
大阪府茨木市の閑静な住宅街。
いまやすっかりヤサグレた私ですが、当時は入社2年目の初々しい社会人。
休日に友人の家を訪ねます。
すぐ近くにはアノ有名な光の教会。
関西に住む建築好きの間では既に安藤さんはかなりの有名人でした。
ぜひとも見学したくて友人と2人して教会の前まで行きますが、ここで問題が。
前回の記事にてにをはさんは書きました。
♬そもそもキリスト教に僕は何の信仰もない♬
「友とコーヒーと嘘と胃袋」Mr. Children
いまやすっかりずうずうしくなった私ですが、当時は入社2年目の初々しい社会人。
キリスト教徒でもないのに「中に入れてください」とお願いする勇気(厚かましさ)はありません。
あらカワヨい。
外から外観を眺めただけでスゴスゴと退散したのであります。
単なるコンクリートの箱にしか見えませんでしたがね。
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時は流れて2017年。
巨匠安藤さん若かりし頃の傑作を再訪です。
いつもは外観から攻める私ですが、この建物は別格扱い。
なにはともあれ中へどうぞ。
おお!
コンクリートの壁に十字架状のスリット!(知ってたけど)
そこから射し込む日の光!
ル・コルビュジエの礼拝堂や修道院に通じる質素で静謐な幻想空間の出現です。
至ってシンプルなデザインですが、これ作るのむっちゃ大変だったでしょうね。
安藤さんはじめ関係者の皆さんの奮闘ぶりは下記書籍に活写されています。
ご関心ある方はぜひご一読を。
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光の教会: 安藤忠雄の現場 平松剛 著(Amazonで購入)
ところでこの十字架、外から見たらどうなっとるんや。
こうなってます。
それにしても後ろに見える建物は何や?
住宅街に建ってるんちゃうかったっけ?
気付いたあなたはスルドイ!
ここは東京・六本木。
国立新美術館の敷地内です。
「国立新美術館開館10周年 安藤忠雄展―挑戦―」の目玉企画として、光の教会が原寸大で再現されました。
フェイクとはいえ22年越しの願いが叶った私は大満足。
もう思い残すこともないや。(おいおい)
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さらに時は流れて2021年。
まさかまたあの傑作に出会えるとは望外の喜び。
しかも今回は誰もおらず教会を独占!
ちょっと待った!十字架が不自然やで?
右端と下端の色が違っとるがドユコト?
気付いたあなたはスルドイ!
ここは香川県・直島。
ANDO MUSEUMの館内です。
これは精巧に作られた縮小模型。
ちゃんとコンクリート製なところに安藤さんのこだわりを感じます。
- 建物を斜めに貫通する独立壁をつたってアプローチ
- 右下の開口から屋内に入ってふり返ると、対面の壁一面に巨大な光の十字架
- 階段状になった木板の床を下りながら十字架をあがめつつ椅子に着席
来訪者の一連の体験が手に取るように分かるのは、屋根を取っ払った模型ならでは。
超低予算のこの教会、工事の途中で資金が尽きそうになり一時は「屋根なし」にするなんて話もあったらしいです。
青空教会が実現していれば、今ならドローンで簡単に覗き見できちゃいますね。
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基本情報
光の教会(茨木春日丘教会)建物見学停止中
設計:安藤忠雄
竣工:1989年
場所:大阪府茨木市
訪問:1995年6月(ただし外から眺めただけ)
2017年10月(ただし国立新美術館)
2021年8月(ただしANDO MUSEUM)
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