半年後にコロナが世界を席巻することになるとは露知らずの2019年夏、妻とおフランス縦断旅行に出かけました。
パリ~バーゼル(スイス)~リヨン~プロヴァンス~マルセイユ。
これは、油断も隙もありまくりのポンコツ夫婦が苦難の旅の果てに無事に祖国・日本に帰りつくまでの物語であ~る。
(ぷろじぇくと〇ーっくす)
一路目指すは凱旋門
パリ郊外はシャルル・ド・ゴール空港。
エールフランスのエコノミー席で可もなく不可もない空旅を終え、ATMで2万円分のユーロ札をキャッシング。
すぐさまパリ中心部の宿泊先ホテルに向かいます。スーツケースを預けて一路向かうは凱旋門!
メトロの駅で先ほど下ろしたばかりのユーロ札を使って切符の回数券を購入します。
自動改札に切符を通そうとマゴマゴしていたところ、後ろからガタイのいいおっさんが私の背中に体をグイグイ押し付けてきます。
「なんや急いではるなぁ。それかアッチ系(GAY)?」などと呑気に考えつつ、無事改札を通過。
ラウンドアバウトというのでしょうか。
凱旋門はその周りを広々とした車道と無数のクルマに囲まれ、歩行者は近寄ることができません。
人はきっと地下道を通って行くに違いない!と彷徨うこと10分ほど、なんとか門の足元に辿り着きました。
並んで待つこと数十分。
なにごとも用意周到な私、当然ながら入門(?)チケットはネットで購入してプリントアウト済み。
マシンガンを抱えた警官がウヨウヨ待機する物騒なセキュリティゲートを抜け、いざ登頂です。
♬は~るばるぅ来たぜ、がいせんも~ん♬
♬おーシャンゼリーゼぇー♬
いつもは冷静沈着な私もさすがに浮かれ気味でパリ市街の景色を堪能します。
さて次はエッフェル塔にでも行ってみるかいな、とその前に頂部のショップでお土産を物色。
よさげなポスターがあったので自宅に飾るべくレジに向かいます。
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あれ?財布がない
「あれ?あれ? 財布、財布・・・」
いつも愛用のショルダーバッグに入れていたはずの財布がありません。
海外へは普段使っている革財布ではなく、クレジットカードと現金だけを入れた布製の長財布を持っていきます。
「使い慣れない財布やから見つけにくいんかな?」そんな訳ありません。
何度探しても穴の開くほど覗き込んでもないものはない。
数分の後、ようやく事情を飲み込めたというか現実を認めざるを得なくなった私、レジのおばちゃんに「財布をスラれたかもしれません」と震える英語で訴えます。
「おお、それはお気の毒に。あそこにいる警官に話しなさい」とのアドバイスを受けて振り返った先には、マシンガンを抱えた女性警官。
怖い、怖すぎる!
スリ相手にマシンガンは要らんやろ。
しかしながら贅沢は言ってられません。
事情を話して教えられたのは、シャンゼリゼ通りにある州警察に行けということ。
エッフェル塔に行くはずが警察署・・・自分の不甲斐なさを痛感する事態に。
シャルルドゴール空港に颯爽と降り立ってからまだ3時間しか経ってません。
さて、ポンコツ夫婦の運命や如何に!
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