建築徘徊15 海のギャラリー|林雅子設計の海底できらめく宝石箱

建築徘徊
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雄大な太平洋はもうすぐ目の前。

高知県足摺岬にほど近い「海のギャラリー」をはるばる訪ねてきました。

半端なく遠いよ。

訪問記

あいにくのドン曇り

広大な緑地公園の一角にひっそりと佇む貝の博物館。
1966年の竣工ですから私よりも年上。

まずは建物の周りをぐるっと巡って外観を確かめます。



正面と裏面は見事な左右対称形で、エアコン室外機の配置までこだわっています。
惜しむらくはファンの位置!

コンクリート打ち放しの力強い外壁の上には軽やかな木材の壁が乗っかっています。

側面から見上げる屋根は折板構造。
貝の展示館なのでどうせならシェル構造にしてほしかった笑。

シンプルで小さな建物ですが堂々とした風格が感じられます。
還暦に近いしね。

裏手妻面の階段がカッコよい。


正面に戻って入館します。

第一印象は「薄暗いなぁ」。

青い塗装仕上げの暗い室内にトップライトから光が射し込み、貝殻を照らします。

まるで海の底から空を見上げているような感覚です。

晴れていればもっとキラキラ輝いて宝石箱のように美しいのでしょうが、ドン曇りでも十分に素晴らしい。


このトップライト、長手方向に端から端まで貫いています。

つまりこの建物、屋根が構造的につながっていないのですね。

それにしてもトコトン左右対称ですなぁ。

その真ん中に堂々たる階段が鎮座しており、この建物の主役を張っている感じ。

で、なんとこの階段2階の床とつながっていません

1階の床から極太のコンクリートささら桁で片持ち構造になっています。
凝ってるねぇ。

そういえば裏手にあった外階段も同様の構造だったかも。

設計者は林雅子さん。

日本の女性建築家の先駆けです。

配偶者は超大手設計事務所日建設計で一時代を築いた林昌二さんですから、夫婦そろって記憶に残る名建築を手掛けられたということですね。

もしやこの建物、設計テーマは断絶・隔絶」とか?

多忙を極めるお二人、夫婦仲がうまく行ってなかった?

いや違うな。

左右対称つまり対等の立場のお二人がつかず離れずの関係にあった。
今どきの理想のカップルの先駆け

大きなお世話です。妄想が過ぎますね。

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基本情報

海のギャラリー
設計:林雅子 
竣工:1966年
場所:高知県土佐清水市
訪問:2019年4月


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