建築徘徊42 佐川美術館|こだわりの緊張感が漂う切妻屋根の神殿

建築徘徊
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滋賀県やって来ました

悪名高き当たり屋飛び出しとび太に会いたくて。

故郷で隠遁生活を送っていたのでソ~っとしておくことにして、名作の誉れ高き佐川美術館を訪問。

琵琶湖のほとりにソ~っと佇むそれはそれは美しい建築です。

訪問記

遠い、遠いよ。

京都駅から1時間以上、電車とタクシーを乗り継いでようやく到着。

しかし来た甲斐があったというものです。

人工池の上にまるで浮かんでいるかのように佇む2棟の建物。

切妻屋根を載っけた平屋建ての形状はシンプルの極みですが、なんだかすごい緊張感が漂います。

なんでやろう?
木造ならばホッコリ味わい深いのでしょうが。

コンクリート・鉄・ガラスの現代材料トリオでできているから?

1mmの隙もないような猛烈なこだわりが垣間見える精緻なディテールだから?

一見和風ながら古代ギリシャ風の柱や神殿チックな外回廊を持つチグハグ・ポストモダン建築かと思いきや、さにあらず。

絶妙なバランスでまとまり統一感があります。

外壁や屋根下は杉板本実仕上げのコンクリート。

池のさざ波で反射した光が白い壁に映り込むさまはもはや芸術作品です。

お手入れ大変そうですが。

施設名を告げる案内をタイトルバックに館内突入。

中は一転、床に貼られた暖かい色合いの木板が主役となって落ち着きのある静謐な空間が広がります。


天井から射し込む光に吸い寄せられるように近づいて見上げると、光が池の水にキラキラ反射して揺らいでいます。

ため息しかない。余は満足じゃ。

館外へ出て敷地の裏手へ。

こちらは後から完成した別棟の樂吉左衞門館。

陶芸家樂吉左衛門さんの並々ならぬ想いがこもった茶室・展示室ですが、残念ながら中に入れず。

池越しに新旧建物を見比べつつ帰京します。


設計と建設はスーパーゼネコン竹中工務店

大阪の会社なのに代表作が東京タワー東京ドームというお茶目な会社です。

地元の誇りはかつて高さ日本一のあべのハルカス

プロ野球フランチャイズのドーム球場全てに関わる「ドームの竹中」としてブイブイ言わせていたのも今は昔、最近はサッカーにご執心の模様。

ガンバ大阪のホームPanasonic Stadium Suita京都サンガのホームサンガスタジアム by KYOCERA

どちらも手掛けたことから、両チームの試合はマニア(何の?)の間で密かに「竹中ダービー」と呼ばれているそうです。

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基本情報

佐川美術館
設計:竹中工務店
竣工:本館 1998年、樂吉左衞門館 2007年
場所:滋賀県守山市
訪問:2019年4月、2023年3月


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