焼き鳥屋の密談
ひいきにしている近所の焼き鳥屋さん、若い夫婦が切り盛りしています。
個人情報保護などありますので、ここでは仮の名を「ケイコとマナブ」としておきます。
旦那さんの名前だけを冠した「鶏と酒 マナブ」という店名にふと興味を抱き、ケイコさんに訊いてみました。
「店名に奥さんの名前も付けなくていいの? 不公平に思わないの?」
するとケイコさん、堰を切ったように意味不明の供述を繰り返し、マナブさん苦笑い。
翻訳すると「昼間、向かいの公園にお子さんを遊ばせに来る奥様方を相手に純喫茶 ケイコをやりたい。」
そこから居抜き喫茶店の出店話で大盛り上がり。
焼き鳥の匂いが充満してるし、どうせやったらお酒も出そうや。
いいですね! 有閑マダム相手に昼呑み営業!
店名は不純喫茶 ケイコ! マダムじゃなくておじさんが集まってきそうやけど。
不純喫茶いいですねぇ! 商標でも取ろうかしら。
取れるのでしょうか。
特許庁の検索システムで調べてみましょう。
あ~ら残念、2021年に商標登録されていました。
商標をお持ちの会社はその名も「不純喫茶ドープ」というお店を経営しておられます。
ごあいさつに伺って暖簾分け?してもらおうかしら。
昭和の「純喫茶」令和の「不純喫茶」
ところで、そもそも純喫茶って何や。
ずいぶんと古風な響きで日本語大好きな私は大いにソソられます。
Wikipediaで調べてみましょう。いつもお世話になります。
純喫茶 :お酒を扱わない純粋な喫茶店。お酒を扱い女給(ホステス)による接客を伴う特殊喫茶(カフェー)に対する呼称
純粋にホステスに特殊。刺激的なことばの宝石箱や~!
なんだかワクワクしませんか? おじさんだけ?
調べだすとキリがありませんが、いちばん気になったのがカフェー。
ランバ・ラル大尉が叫びそうですね。
「カフェとは違うのだよ、カフェとは!」
再びWikipediaで調べてみます。
【豆知識】カフェー
日本で20世紀前半に流行した飲食店・風俗営業の一業態。古くは特殊喫茶、社交喫茶とも
【豆知識】カフェ
コーヒーが転じて、客にコーヒーを飲ませるための施設。日本語ではコーヒー屋、喫茶店とも
(どちらも語源はフランス語: café、イタリア語: caffè)
純 ⇔ 不純
純喫茶(カフェ)⇔ 特殊喫茶(カフェー)
つまりカフェーとは不純喫茶のことなのだ!(三段論法)
棒(-)を一本足すだけで反対の意味になるとは、日本語って奥が深い!
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