立っていた耳が垂れる怪
新しい家での一夜が明けた。
真っ暗なケージで孤独な夜を過ごしたのだが、夜泣きすることもなくグッスリ寝ることができた。
なのは結構肝が据わっているのかもしれない。
きっと一度に7頭もの子を産んだ肝っ玉母さんのよいところを引き継いだのだろう。
それにしても暇だ。
ケージの柵越しに見る景色は新鮮そのものだが、外に出ることが許されずただただ眺めるだけ。
狭い囲いの中で食事と排泄と睡眠を繰り返すだけとはまるで犯罪者扱いではないか。
いつになったら広い世界を冒険させてもらえるのかと案じつつ悶々と過ごすこと3日。
養子入りの日にはピンと立っていた耳がなぜか左側だけ垂れ下がってきたではないか。

初日の耳 vs 3日後の耳
クララが立った後に再び車いす生活に戻ったとは寡聞にして知らず、果たして立っていた耳が垂れ下がるなどといったことが起こり得るのか。
痛く心配した父上はネット検索に忙しい。
しかし、これは狭いケージの中で暇を持て余すが故のストレスではないかとなのは思う次第である。
同情するなら外に出せ。
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硬かった便が緩くなる怪
耳垂れと時を同じくして便が緩くなってきた。
年頃の女子としては口にするのも憚られるが、有体に言うと下痢ピーというやつである。
ケージの中は細く裂いた新聞紙が敷き詰められており、どこでも用を足し放題なのは助かる。
固形ならまだしも、液状に広がるアレを何度も片付ける羽目となる父母には申し訳ないが、こればかりは生理現象なので如何ともし難い。
お気に入りの寝床となった網目のトレーで、快復を期してとにかく睡眠あるのみ。

ところで、父母はこのトレーで用を足してほしいと懇願するのだが、風通しよく寝心地に優れるこのベッドをトイレ代わりにするなどもっての他。
さて、この家に来て6日目の朝のこと。
食欲がなくて朝食にほとんど口を付けなかった。
父上も母上も痛く心配しているようだ。
特に父上は「プータロー」という職種らしく、出掛けることなくずっと側にいてネット検索に忙しい。
下手をすると病院に連れて行かれそうな嫌な予感がしたので、昼食はしっかり食べることにする。
なのにしてみればただ単に眠かっただけのこと。
日々少しずつケージ外での自由行動を許されるようになってはいたのだが、昨日は祝日だったためか想定外に長時間を外で過ごすことに。
父母がいろいろとちょっかいをかけてくるものだからイタズラに興奮して大はしゃぎ、すっかり疲れ果ててしまった。
午前中ひたすら眠って疲労は概ね解消したようだ。
便はまだ少し緩いけれども。
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ベッドの横にトイレの怪
昼食の後にまたひと眠りしたため、夕方にはすっかり元気いっぱいの状態に。
お腹の具合もかなりよくなってきて、下痢ピーから柔らかめの固形に戻りつつある。
父上はまだ不安げな様子だが心配ご無用。
ご覧の通り、垂れていた左耳は完全復活に至る。

狭いケージ暮らしのストレスから解放され、思い切り遊んでたっぷり睡眠を取ったことが功を奏した。
果たしてこの左耳はストレスが溜まると再び垂れ下がってくるのか、興味深いところではある。
ところで、狭所に入り込んで固い物をかじると得も言われぬ安心感を得ることができるのは何故だ。
狭いケージはストレスが溜まる話と矛盾するようではあるが、自らの意志で入り込むのと閉じ込められるのは違うということであろう。
さて、養子入りから10日。
ケージの向かって左側で何度か続けて用を足したところ、部屋の模様替えが行われることになった。
新聞紙が撤去され、左側に網目のトレー、真ん中に白いシート、右側に四角いふわふわが設置された。
どうやら両親は網目のトレーか白いシートで用を足し、四角いふわふわで寝て欲しいらしい。
親の心子知らず。
構わず網目のトレーで寝ていると、困り顔の父上が網をトレーから外してしまった。
分からず屋だな。網目が気持ちいいんだってば。

こうしてケージの中は左からトイレ、網目のベッド、四角いふわふわがひしめき合う事態に。
それにしても、トイレがベッドのすぐ横というのは全く納得がいかぬ。
便器を眺めつつバスタブに浸かるという奇天烈な風習を持つ西洋人じゃあるまいし。
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