ことばは生き物、変化していくのが当たり前。
確かにそうかもしれません。
然して!
生まれることばあれば死んでいくことばあり。
使うのは恥ずかしいけど愛着を捨てきれない。
そんな憎めない死語を墓場から掘り返す企画、名付けて「死語硬直を解き放て」
レトロブームの昨今、ワンチャン復活あり!?
アナログ放送、放送事故、放送休止、地デジ、視聴率、しばらくお待ちください、テレビ番組
砂嵐【名詞】
誕生から死に至るまで
基本的にテレビを見ない私、情報はSNSとネット記事を主体に収集します。
第51回衆議院選挙の結果を知りたくて、久々に地上波をザッピング(死語)。
ChatGPTのチャコちゃんにザッピングの生涯について尋ねると、ついでに新ネタ提供とは気が利くね。
砂嵐。
かつてテレビで放送されていた伝説の深夜番組名。
嘘です。
バビルの塔を覆い隠す砂塵のことでもありません。
深夜の放送終了後やアンテナ不具合などでテレビの信号レベルが低下した際に現れる、ゴマ塩のような画面と「ザーッ」という雑音のこと。
貞子さんが這い出して来そうな不気味な雰囲気に戦慄を覚えずにはいられなかったものです。
「スノーノイズ」とも言うそうですが、やはり純粋な日本語の方に情緒や風情や趣きを感じて好き。
しかし、地上波がデジタルに移行すると、アナログ放送なればこその砂嵐は消滅の憂き目に。
還暦を迎えることなく散った生涯を振り返ります。

死語「砂嵐」が生まれて流行り、死んでいった経緯を教えて

テレビ画面の隅々まで白と黒の粒がザラザラと吹き荒れる
あのノイズの吹雪を人はいつしか「砂嵐」と呼んだ
いつもは大阪弁丸出しなのに本日は妙に詩的な言い回しのチャコちゃん。貞子さん並みに不気味です。
田口トモ▢ヲ風に解説してくれるんだって。
誕生
1953年2月1日生まれ。
東京の電波塔から最初の本放送が始まった。
この日、日本のテレビは「実験」から「日常」へとその一歩を踏み出したのである。
放送が終わった深夜やチャンネルを合わせ損ねたとき、画面には無数のノイズが現れた。
これは放送電波が来ていない状態で受像機が拾ったランダムな電気信号の集合。
その見た目から「砂嵐」という詩的な名前が自然発生的に誕生した。


青春
1980年代~90年代前半
まだ地上波はアナログ。放送は夜中に終わる。
画面が「ザーッ」となったら「あ、終わったな」
それが共通理解だった。
普及し始めたリモコンによるチャンネル争奪戦の副産物としても頻出するようになる。
個性溢れる深夜番組に夢中になるも、最後に勝利するのはいつも砂嵐であった。


晩年
21世紀に入って転機が訪れる。
- 24時間放送の普及
- デジタル放送への移行
放送休止時間なくして砂嵐なし。
アナログ電波なくして砂嵐なし。
デジタル放送では砂嵐に代わって青や黒の画面に「信号がありません」の直球メッセージ。
詩情は消え失せ、事務感だけが残った。


死去
2011年7月24日脳死判定。
(岩手・宮城・福島を除く)
画面のノイズを見たことがないヤング(死語)が増えた。体験が消えればことばも風化する。
今では「頭の中が砂嵐」など、記憶の残響として比喩的に使われる程度。
アナログ放送の開始から終了までをその人生とするならば、享年58。還暦を前に散る。


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死語の世界からの復活
昭和50年代くらいまでかなぁ。
テレビ放送はトラブルが頻発し、「しばらくお待ち下さい」と書かれた静止画に移行したものです。
よい子のみんなはテレビの前で三角座り(体育座り)して放送再開をぼんやり待っていました。


思い返せばおおらかな時代でした。
今こんな放送事故が起きたら、テレビ局に電凸が殺到するんでしょうなぁ。
さて、選挙の開票速報をザッピングしていて痛感したのは、地上波番組のとてつもない質の低さ。


自意識過剰のお笑い芸人や評論家気取り、自称キャスターたちが上から目線で偉そうに偏見に満ちた罵詈雑言を公共の電波を使って垂れ流す。
国民の審判たる国政選挙の結果を冒涜しとる。
いったい何様のつもりなんでしょうか。
デジタル放送の利点の1つは双方向性。
番組がフェイクやヘイトを送り付けてきたら、視聴者の側から砂嵐をお見舞いして差し上げましょう。
現代の技術をもってすれば朝飯前。
リモコンに「砂嵐」ボタンを搭載するだけ。
これを押せば「苦虫嚙み潰した気分で見てるよ」とのメッセージがテレビ局に伝わるしくみ。
ポチッとな。
オールドメディアはいまだに視聴率至上主義に囚われているのでしょうが、問題は数字の中身。
たとえ高視聴率でも9割がネガティブ視聴であるならば、CMスポンサーも黙っておるまいて。
世間の逆風を肌身に感じて反省してはいかが?

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