驚きの透け透け建築のすぐ隣にはさらに驚きの純白弁当箱が横たわります。
その名はKAIT広場。
KAITとは厚木市にある神奈川工科大学 KAnagawa Institute of Technologyの略称。
学生に思い思いの時間を過ごしてもらうための施設として2020年に新設されました。
こちとら学生生活を終えて30年以上も経つおじさんですが、当時のことに想いを馳せつつ施設を見学。
【注】事前予約がないと入れません。
メビウスの輪、カンポ広場、養老天命反転地、荒川修作、妹島和世、西沢立衛、豊島美術館
訪問記
厚木市と聞いて真っ先に思い至るは米軍厚木基地。
しかし、基地は綾瀬市と大和市にまたがって存在し、両市は厚木市と接してさえいません。
しかし、そんな事実も吹き飛ぶ(かもしれない)さらに驚きの建築が厚木市に爆誕。
心躍らせつつ訪問します。
なんじゃこりゃ?


巨大で四角い純白弁当箱のような物体が原っぱの中にポツネンと置いてあります。
その正体はどうやら屋内広場。さっそく中へ。

まずは驚きの床。
すり鉢状に窪んで傾斜しています。


壁際に近づくにつれて床の傾斜がキツくなり、足腰の弱ったおじさんには辛い。
コケたら底まで転がっていきそう。それは大げさ。
足腰がしっかりしていた若き日に訪れた荒川修作さんの養老天命反転地を思い出し、寄る年波には勝てぬという厳然たる事実に涙します。
次いで驚きの屋根。
巨大な一枚ものであちこち穴が開いています。

床の傾斜に合わせるように湾曲して窪んでいるので、天井高は2.2~2.8mほどと大きく変わらず。
そして驚きの薄さ。
この屋根ペラッペラやんけ。


穴にはガラスが嵌め込まれておらず、背伸びをして手を伸ばせば上面に手が届きます。
建物内から屋根の外側を触るとは唯一無二の体験。
中かと思えば外、外かと思えば中。中外製薬かよ。
メビウスの輪/帯のような表裏一体感や永遠性さえ感じさせる巧みなアイデア。
あらヤダ、この建物エモい。
とどめに驚きの無柱空間。
ペラッペラ屋根は外周壁だけで支えられています。

サッカー場の6割ほどもあるこの広大な空間を無柱で支えるなら、普通は上に凸のドーム状にするよ?
ところがコチラ真逆の凹型。天邪鬼かよ。
地下でワイヤーが屋根を思いくそ引っ張り、垂れ下がったり落ちたりしないよう縁の下の力持ち。
地面師かよ。いや、それ意味違うから。
さて、驚きの連続でお腹いっぱい。
帰りしな、隣接する何の変哲もない(失礼!)校舎の外階段から外観を見下ろします。

さんざん驚いた後でも第一印象は変わらず。
巨大で四角い純白弁当箱のような物体が原っぱの中にポツネンと置いてあります。
設計は今を時めく若手建築家の石上純也さん。
「50歳を過ぎて若手⁉」との声も聞こえますが、建築界では五十路はまだまだ「ひよっこ」扱い。
本建物が完成した時は若干40代半ばだったことが信じられません。比類なき才能。
妹島和世さんの事務所出身なんですね。
なるほど納得。
妹島さんのユニットSANAAの相方、西沢立衛さんの代表作・豊島美術館の影響を感じます。
さて、KAIT工房とKAIT広場には大いに想像力を掻き立てられ、楽しく充実した徘徊となりました。
そんな驚きの名建築を手掛ける石上さんのさらなるご活躍を祈念しております。
【PR】
自由な建築 石上純也 著(Amazonで購入)
基本情報
KAIT広場
設計:石上純也
竣工:2020年
場所:神奈川県厚木市
訪問:2026年1月
【PR】
コメント