関西人の私にとってPARKといえばひらかたパーク、通称ひらパー。
家族で・遠足で・友達とよく訪れた思い出の遊園地。
お子ちゃまにも優しいひらがなカタカナ表記です。
一方、東京の公園は名前からしてオサレですなぁ。
宮下公園改めMIYASHITA PARK。
外人一番、若者二番、三時のおやつは文明堂。
横文字の名前でよい子のみんなを排除する気?
若干の敵意を抱きつつ視察に向かいます。
宮下公園、渋谷横丁、官民連携、PPP事業、商業主義、資本主義、拝金主義、ハイライン
訪問記
“若者の街” 渋谷。
五十路おじさんの私には敷居が高い街ですが、話題の建築を見るため覚悟を決めて飛び込みます。
コロナ禍の最中で人影まばらなのが不幸中の幸い。
うわぁオサレぇ! 昭和おじさんが想像する公園からかけ離れた面構えに驚きを隠せません。


砂場にブランコにジャングルジムはどこや。
どうやら地べたにではなく、階段やエスカレーター(!)やエレベーター(!!)で上がった高所にある模様。


砂場にブランコにジャングルジム・・・ねぇよ。
雲梯っぽいアーチはぶら下がり禁止。
養生中?の芝生広場は立ち入り禁止。
数少ない金属の編み網ベンチは満席。
この公園いったい何して遊ぶのよ?
できることといえばコンクリートの床上をただひたすら歩くことだけ。
硬質材料で埋め尽くされた公園で小さなお子ちゃまを安心して遊ばせることはできそうにありません。
じゃあ誰が何して遊ぶのよ?
遊戯施設はデコボコスケート場に妖怪ぬりかべボルダリングウォールにサンドコートつまり砂場。
よかった砂場はありました。
しかし全て有料、砂場なんぞ1時間6,500~1万円!
お子ちゃまにトンネル掘ったり泥ダンゴ作ったりさせるためにそんな大金を払えるご家庭って・・・
どうやら都会の裕福なお子ちゃま限定公園death。
下界に戻る階段を見つけたので早々に退散します。


見上げれば高速道路のジャンクションか高層ビルの建設現場かと見紛う無粋な鉄骨部材が丸見え。
な~んだまだ建設中なのね。道理でブランコやジャングルジムが見当たらないはずだわ。
な~んて皮肉の1つも言いたくなります。
そんなセレブ公園の階下には何があるのかと覗いてみれば、いわゆる複合商業施設になります。
“ららぽー〇”とか”〇オンモール”の類ですね。
それもそのはず、ここは渋谷区と超大手デベロッパーが共同運営する商業主義の化身。
いわゆるPPP事業ですから、お子ちゃまそっちのけで金儲けに余念がありません。
PPAPならお子ちゃまに人気が出たのにね。
「儲かりまっか?」「ボチボチでんな」
大阪商人ならそんな粋な会話が弾むところですが、どうやらココは雲行きが怪しい。
遊び場を奪われた近所の子どもたちの怨嗟の故か?
ボチボチMIYASHITA PARK改めみやしたパークの名でよい子の遊園地に改めてはいかが?
あれは10年前。
ニューヨークのHIGH LINEを訪れました。
廃止された鉄道高架上にできた空中緑道公園です。




高層ビル群の合間を縫って伸びる空中歩道を家族連れに老夫婦、男どうし・・・と老若男女を問わず楽しそうに散歩する姿がなんとも微笑ましい。
都会の空中公園という佇まいは同じでも、その志は天と地ほども違います。
MIYASHITA PARKは公機関と私企業が結託して、お金を払った人にだけ遊戯施設の使用を許可。
そうとは知らずにやってきた人には階下の複合商業施設での散財を煽る。
それって公園じゃなくて公私混同園じゃないの?
てな訳で、今回は純粋に建築を愛でる気になれず。
な~んてすずちゃんに懇願されても納得できない。
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基本情報
MIYASHITA PARK
設計:竹中工務店
竣工:2020年
場所:東京都渋谷区
訪問:2021年9月、2022年10月
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