最新の断熱技術と高い気密性のお陰で、木造ながら別名「住む魔法瓶」は伊達ではありません。
ここ数日ジェットコースターのように乱高下する外気温ナンボのもんじゃい。
安定した室温のおかげで快適そのもの。
とはいえ、日本古来の伝統木造をリスペクトする気持ちは揺らぎません。
芸術品と言っても過言ではない大工道具。
それらを駆使する棟梁や大工の超絶技巧。
竹中大工道具館は日本で唯一の大工道具を展示する博物館。そりゃ行くよね。
木造建築、大工、棟梁、経年変化、経年優化、匠の技、伝統工芸、伝統技術、最新技術
訪問記
山陽新幹線新神戸駅から徒歩5分ほど。
すぐそばに六甲山が迫る坂を登っていきます。
到着しましたエントランス。
いや、そんなカタカナ語が全くそぐわない。
格調高き正門。
公家か武家の屋敷と見紛う立派な門を潜り奥へ。


緑溢れる美しい庭を抜けると建物が見えてきます。
低い傾斜の瓦屋根、長く深い庇。
2014年に完成した新しい建物ですが、古きよき日本伝統建築の雰囲気が色濃く漂います。
かっこヨい。さっそく入館。


外観から平屋だと思いきや、地下に秘密基地。
永遠のガキんちょ心をくすぐります。
地下1階へと降りる吊り階段がかっこヨすぎ。

踏み板は楢(なら)の木の削り出しなんですって。
時とともに素敵にエージングしていくのでしょう。
いや、そんなカタカナ語が全くそぐわない。
ここは広瀬すずさんのことばを借ります。
経年優化。
大きな光庭に空から陽光が降り注ぐため、地下にあっても明るく開放的な展示室。
ど根性ガエル鑑真さんで有名な唐招提寺の木組み実寸大模型が抜群の存在感を発揮します。


もちろん主役たる大工道具や職人の匠の技に関する展示も見ごたえ十分。
繊細な組子細工にも目を奪われます。


学芸員さんの豊富な知識にも圧倒されます。
「もう許して~」っていうくらい懇切丁寧に解説してくださり、時間がいくらあっても足りないほど。
しかし、時間です。
うしろ髪ひかれ隊る思いで地上に。


1階ホールの天井がこれまた凄い。
杉の木の圧倒的に美しくかっこヨいルーバー天井。
いや、そんなカタカナ語が全くそぐわない。
美しくかっこヨい格子天井。
さて。
この建物は21世紀にできた現代建築ゆえ、最新技術を駆使して万全の安全性や快適性を備えます。
もちろんコンクリート・鉄・ガラスの3大スターが要所に使われていますが、決して出しゃばらない。
「主役は木と職人技」だとわきまえて「縁の下の力持ち」に徹しています。
伝統技術と最新技術の最良のマリアージュ。
いや、そんなカタカナ語が全くそぐわない。
最良の調和。
最良の融合。
私の目に狂いはない(笑)ようで、本建物の受賞歴がこれまた凄い。
止まない賛辞の中で、建築主・設計者・施工者の三位一体による優れた建物に付与されるBCS賞に注目。

【竹中大工道具館】
建築主:竹中大工道具館
設計者:竹中工務店
施工者:竹中工務店
そりゃ三位一体だわな。でもなんかズルくね?
まぁそんなことはどうでもよくなるほど掛け値なしに素晴らしい建築です。
私は既に3度の訪問を終え、2周目を検討中。
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基本情報
竹中大工道具館
設計:竹中工務店
竣工:2014年
場所:兵庫県神戸市
訪問:2014年9月、2022年5月、2023年3月
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