建物状況調査インスペクション|土地探し×工務店選び=注文住宅31

終の棲家
終の棲家
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三十余年ぶりに一軒家に暮らすことに決めた私。

人生の終着点となる土地に終の棲家を建設中。

最終コーナーを回ったところに仕掛けられた大きな落とし穴を華麗に回避、最後は突貫工事の感が否めないもののなんとか完成します。

残るは内覧(完成検査)と不具合の手直しのみ。

1年9カ月に及んだこの旅もいよいよ終着間近。

結末や如何に!

KEYWORDS

戸建て住宅、内覧会、情報の非対称性、瑕疵、不具合、是正、手直し、副次的効果

インスペクションの定義と意義

私、反省しています。

前回までのミニシリーズ「緊急事態!階段に潜む怪談話」で専門用語「インスペクション」をシレッと使っていたことを。

カタカナ語の氾濫に反旗を翻して反抗的な態度で半笑いにする企画「お笑いビジネス・カタカナ語」なんぞ展開するくせに。

語源は英語 “Inspection“、weblio辞典によると意味は広く点検検査視察といったところ。

これがカタカナ語に変換された途端、対象が建物に限定されるようです。

泣く子も黙る?国土交通省様の説明によると・・・

【インスペクション】

建物状況調査のこと
国の登録を受けた機関が開催する講習を修了した建築士既存住宅状況調査技術者)が、構造耐力上主要な部分雨水の浸入を防止する部分について目視計測非破壊検査を行います

調べて驚き。本来の意味はとても狭いのね。

今や調査対象は既存住宅に限らず新築に、構造材・止水部分に限らず仕上げなどにまで拡張。

ていうか、原語 “inspection” の汎用的な意味に先祖返りしつつあるようです。

この度の終の棲家建設計画で身に染みて分かったことは、建築主と工務店の情報の非対称性

こう見えても私、いちおう博士(工学)の端くれとして建物の耐震技術、建築徘徊者として建物のデザイン、については少しウルサイのです。

そんな私でも力不足を感じるのだから、知識に勝る工務店が圧倒的に有利なことは容易に想像可能。

騙されてませんか? 誤魔化されてませんか?

インスペクションはそんなあなたの心強い味方。(案件にあらず)

またもやカタカナ語で恐縮ですが、建築業界におけるセカンド・オピニオンと言えましょう。

てな訳で、万全を期すためインスペクション会社を比較検討してK社に依頼することに。

惜しむらくはもっと早くに決断し、構造材・止水部分の調査もお願いすべきだったこと。

建物はもう完成しちゃいましたから、目に見える表層部分しか調査できません。

後の祭り。アフターフェスティバル。
カタカナ語につき通じません)

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インスペクションの副次的効果

2025年9月20日

建築主の私の内覧に合わせてインスペクションを実施してもらいます。

調査対象は建物の内外観仕上げおよび点検口から覗いて見える範囲の天井裏と床下のみ。

それでも5~6時間を要するとのこと。

エアコン未設置の室内は9月末でも暑いったらありゃしない。なんせ「住む魔法瓶」なもんで。

少し動いただけでゲリラ豪雨に見舞われる私、とてもずっと立ち会うことなんぞできません。

てな訳で、検査員さんは先行して朝10時入り。

重役出勤の私は昼2時に現地到着、真っ先に検査員さんに挨拶に向かいます。

この方が一心不乱に調査する強面おじさんで気安く話しかけづらい雰囲気。

レーザーレベルを始めとする器具を駆使してプロの技を見せつけます。

全てお任せしよう。放置プレー発動。

と、ここでインスペクションの意外な副次的効果を発見します。

そもそも本日は内覧会

建築主の私が自ら終の棲家の仕上がりや不具合の最終確認を行います。

ところがそうは問屋が卸さない。
いや、現場監督が許さない。

あらゆる設備機器・建具類の使い方や注意点を説明し、諸書類への日付と名前の記入を要請し、と私に内覧の余地を与えません。

会社の決まりで説明義務があるのでしょうが、正直ウザい笑。

まるで私のスルドい観察眼で不具合を発見されることを拒んでいるかのよう。

はい、内覧あきらめました。

ていうか、自ら必死で自宅の粗探しをするという心を病みそうな作業から解放されます。

これは心身の衰弱回避に効果絶大。

てな訳で、検査員さんよろしく頼む!

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三井のリハウス

インスペクションの結果大公開

午後3時半インスペクション終了。

大きな瑕疵はなく仕上がり良好とのことで一安心。

現場監督も胸を撫で下ろしているようです。

4日後に90ページに及ぶ報告書が届きました。

こんなん出ましたけど~。

総合判定

小さな不具合がたくさん。
全箇所の状況が図面・写真とともに説明されます。

不具合概要


ほぼ全てキズや汚れ。大したことなくてよかった。

現場監督から妨害工作を受ける中でこれらの不具合を自ら発見するなど到底不可能。

インスペクションを依頼して大正解でした。

さっそく報告書を現場監督に転送、手直し依頼。

引き渡しまで5日しかないけど間に合わせてね。

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