スローガン、キャッチコピー、モットー、標語・・・
それぞれの違いはともかく、名だたる日本企業の多くが何らかの標語類を掲げて宣伝しています。
これらを偏見や忖度なしに純粋に味わう企画、名付けて「日本企業 標語列伝」
3大メガバンクのトリを飾るのはみずほフィナンシャルグループ、第17位。
(2025年09月22日時点)
既出の三菱UFJFG、三井住友FGとの違いが気になるところ。社名の由来も気になることろ。
さっそく探索に向かいます。
【注】決して悪意はありません。♬笑って許して♬
メガバンク、第一国立銀行、渋沢栄一、安田善次郎、横並び業界、システム障害
ともに挑む。ともに実る。
またもや。ですか・・・
これまでご登場の17社で6社目。
そして驚くべきことに3大メガバンク揃い踏み。
横並び感が凄いので3社を縦に並べてみます。
みずほ ともに挑む。ともに実る。
三菱UFJ 世界が進むチカラになる。
三井住友 進もう、みんなが幸せな未来へ。
こうした標語類は企業ブランディングの観点で他社と差別化した方がよいと思うのですが、どこがどれだか見事に分からない。

うちは。が2つだもんね~!
などと小っちゃい差異をドヤっているのか、はたまた実は裏で3社仲よしこよしなのか。
まぁ業界のしきたりは知ったこっちゃありません。
前口上通り純粋に標語を味わうとしましょう。
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勝手に標語案内
ともに挑む。ともに実る。
猛烈な違和感を感じます。
簡潔にするため主語を省略。それはまあいいよ。
問題は他動詞の挑むと自動詞の実るで取り得る主語の属性が異なること。
weblio辞書を参照します。
【挑む vs 実る】
挑む:主語は人間、動物
挑戦する、立ち向かう、関係を迫る、張り合う
実る:主語は植物、抽象名詞
草木や穀物などが実を結ぶ、成果があがる
この結果を元に舌っ足らず標語の意味を推察。
まず前半のともに挑む。
主語は誰? 順当に考えてみずほFG(社員)かなっ。
ともにって誰と? 順当に考えてみずほのお客様、腐臭漂うカタカナ語だとステークホルダーかなっ。
次、難解な後半のともに実る。
主語は何? 銀行ゆえお金または金のなる木かなっ。
ともにって何と? これが皆目不明。
お金と並べて違和感のない抽象名詞/概念?
困ったときのChatGPT。

銀行標語「ともに実る。」の主語はきっとお金。
このとき何とともにだと思う?

銀行の標語として考えるなら
信頼:取引の積み重ねで信用が向上
安心:財産増が心の安定を提供する
未来:資産が将来の可能性を高める
絆 :取引を通じて人間関係が深化
幸せ:金融広告らしい理想的な表現
AIって歯の浮くようなセリフも平気で吐くのね。
ここは横並び業界のライバルに合わせて幸せ採用。
さぁて、てにをは流の解釈をどうぞ。
【ともに挑む。ともに実る。】
みずほFGはお客様とともに金儲けに挑む。
その結果、金のなる木と幸せがともに実る。
きっと。知らんけど。
実るが自動詞ゆえ「人事を尽くして天命を待つ」感や「他力本願」感が漂います。
なので「きっと。知らんけど。」を付けてみました。
念のためにみずほさんご自身の解説を確認。

〈みずほ〉は、「ともに挑む。ともに実る。」をパーパスとして掲げます
それは、お客さま一人ひとりの夢と希望に向かう挑戦に寄り添い、 金融やコンサルティングの力で幸福な人生に貢献すること
それは、新しい技術や事業へ挑む企業に、 他企業との協業や、事業・金融面のサポートをしながら、 サステナブルな社会に向けてともに歩んでいくこと
そしてそれは、〈みずほ〉で働くすべての人がつながり合い、 日々新たな視点で変革や改善に取り組み、未来を変えていくこと
お客さまの挑戦を支え、自らも変革に挑戦しながら、豊かに実る未来を共創していく
その決意を新たに、私たちの思いをこのことばに託しました
えらく冗長饒舌ですなぁ。
さすがに露骨にお金とは言ってませんが、まぁ私の解釈は概ね合ってるんちゃう?
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勝手に企業所感
みずほフィナンシャルグループの源流は1873年に渋沢栄一爺が設立した日本初の銀行、第一国立銀行。
その後の統合系譜が凄まじく名家の家系図のよう。
みずほの名は1999年に初登場です。
その由来はご本人に解説して頂きましょう。

「みずほ(瑞穂)」は、「みずみずしい稲の穂」を表す言葉であり、「みずほ(瑞穂)の国」は、実り豊かな国を意味する日本国の美称として用いられています
この名称は、グローバルな金融市場において、日本を代表する金融機関として、最高水準の総合金融サービスにより、国内外のすべてのお客さまに豊かな実りをご提供していくという決意を込めたものです
みずみずしさを感じさせる若々しい語感は、新しい企業文化にふさわしく、広くみなさまに親しんでいただける名称であると考えています
えらく冗長饒舌ですなぁ。
どうやらこちらのみずほサンとは関係なさそうですが、標語はよく似ています。
みずほFG ともに挑む。ともに実る。
みずほサン ほっとけない。それが私の原動力。

うちら。が2つだもんね~!
さて、残念極まりない政治屋のせいで衰退途上国に落ちぶれてしまった日本。
一人勝ちなんぞもっての他、ライバル企業や有力政治家と仲良く似たような標語を掲げるみずほFGの博愛精神が一縷の望みと言えましょう。
ともに挑む。ともに実る。
それはよいとして、色~んな銀行大集合だけに企業文化の違いガーとか言っていまだに社内で足を引っ張りあったりしてませんよね?
無理せずにまずは社員みんながともに認め合うことを願います。
小さなことからコツコツとってね。
呼んだ?
呼んでねえよ!(怒)
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