カザフスタン・アルマトイでの仕事を終えて帰国。
トランジット(乗り換え)で降り立った韓国・ソウルで半日の時間があります。
これ幸い。建築を見に行くぞ。
東大の門だからって赤門とちゃいます。
東大門は「トンデムン」と読むらしい。
それでは張り切って行ってみよう!
アンビルトの女王、未完建築、新国立競技場、ターミネーター、T-1000、ナマコ、ウミウシ
訪問記
仁川国際空港から地下鉄に乗ること1時間あまり。
え~っと、建物が巨大過ぎて全貌が掴めません。
圧倒的な「覆いかぶさってくる」感じ。怖いよう。
あ、分かります? 銀色に鈍く輝く液体金属ボディ。
さて、少し建物から離れて見た方がよさそう。
鈍色の曇り空に溶け込んで得体のしれないド迫力。
主役を奪われて悔しいのか、銀を脱ぎ捨て金色に変化したT-1000が建物を睨みつけています。
外装材はアルミかなっ。
金属なのにヌメッとした有機体のような質感。
大きさも形も全て異なるであろうパネル群が驚くべき高精度で施工されており、設計者も草葉の陰でニンマリしていることでしょう。
この独特の流麗なデザインを施したのは、かつて「アンビルト(未完建築)の女王」と呼ばれたザハ・ハディドさん。
世知辛い日本の世論や政治の生贄とされてしまった新国立競技場案の設計者でもあります。
そのショックゆえか、廃案決定から1年と経たずに65歳の短い生涯を終えられました。
東京に降り立つUFOの雄姿を見たかった!
閑話休題。中に入ります。
出入口からして普通を逸脱。ドアが傾いちょるよ。
普通って何?とうっかり中二病を発症しそうです。
館内はさながら『2001年宇宙の旅』。
理屈抜きにかっこヨい!
同じくザハさん設計のヘイダル・アリエフ・センターはミレニアム・ファルコンに乗ってハイパードライブするかのようなスピード感が魅力。
対してこちら、ゆっくりユラユラ館内をたゆたうように彷徨いたくなる心地よさ。
直線が一切ないのでは?とうくらいの有機的な曲線美のなせる業ですかね。
階段は便器(おいおい)のように爽やかに白く輝き、これまたヌメッとした質感がたまりません。
少しゲーリーっぽい?便器だけに。(おいおい)
直線基調のエリアも一筋縄では行きません。
まるで稲妻。やりたい放題。作る人は大変。
あ、そうそう、あまりに巨大な建物の形状は館内の模型や案内図の助けを借りてようやく把握。
ナマコやウミウシを連想させる有機的な形状です。
私は韓国料理に明るくないのですが、ナマコやウミウシって食材として人気なのでしょうか。
まさかザハさん、「モチーフはナマコ」なんてベタな発想じゃぁありませんですわよね?
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基本情報
東大門デザインプラザ
設計:ザハ・ハディド(Zaha Hadid)
竣工:2013年
場所:韓国 ソウル(Seoul, South Korea)
訪問:2018年9月
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