ことばは生き物、変化していくのが当たり前。
確かにそうかもしれません。
しか~し!
日本語大好きを自認する私、単なる老害と言われようとも気になるものは気になる。
違和感を拭えない、聞くとゾワッと悪寒が走る変な日本語、奇妙な日本語をあげつらい、断罪します。
人間関係、信頼関係、師弟関係、上下関係、上司と部下、年齢差
老婆心
ヤサグレたとはいえ一応会社員の私、上司からのメールにも一応目を通します。
彼は四角四面・杓子定規で冗談の冗の字もユーモアのユの字もjokeのjのletterさえも通じない堅物。
はいみなさんご一緒に。「カ、タ、ブ、ツ!」
個人情報保護などありますので、ここでは仮の名を「すくえあ」さんとしておきます。
さて、ある日のすくえあさんからのメール。
文末に必ず鎮座する定型文のさらに後ろに初めてお目にかかる文言を発見。

なお、老婆心ながら〇〇〇であることを申し添えておきます
ナニ書イテンダコイツ?
この文章を読んだ私は猛烈な不快感を覚えます。
街なかの女性トイレが行列の際、大阪のおばちゃんは♬今だけおじさ~ん♬と歌いながら堂々と男性トイレに乱入。
愛嬌があるのでみな笑って許します。
しかし、まさかあのすくえあさんに限ってそんなお笑いネタをブチ込んでくることはあり得ません。
さてと。
猛烈な不快感の正体を探る旅に出るとしますか。
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使い手によって異なる意味
私の知る限り老婆心は仏教由来の正当な日本語。
念のためにweblio辞書さんで意味を確認します。
【老婆心】
1. 年を取った女性が度を越してあれこれと気を遣うこと
2. 必要以上に世話を焼こうとする気持ちをへりくだって言う語
私は意味が転じた2. しか認識してませんでしたが、文字通り1. の使い方もあるのね。

老婆心ながら言わせてちょうだいね
出世の秘訣は『強きを助け弱気を挫く』ですよ
な~んて真の老婆に言われたら対応に苦慮します。

イヤイヤ老婆だなんてご謙遜ご謙遜
お肌スベスベ髪の毛ツヤツヤですね
な~んて心にもないことを言うのでしょうか。
さて、すくえあさんの老婆心が1. ならば彼の本性や如何に!
私にそんなこと告白されても♬こまっちゃうナ♬
LGBT隆盛のご時世、すくえあさんが自称老婆という可能性はゼロではありません。
が、私の脳内で♬ちがう ちがう 1.じゃ 1.じゃない♬との歌が鳴り響きます。
すくえあさんとは同期入社で30年来の知り合い。
仲よしこよしとは言い難くとも、彼のお気持ちが彼なのか彼女なのかくらいは峻別できるつもり。
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受け手によって異なる意味
ここで老婆心の意味を再確認。
【老婆心】
1. 年を取った女性が度を越してあれこれと気を遣うこと
2. 必要以上に世話を焼こうとする気持ちをへりくだって言う語
この記事によると老婆心は男性が使っても無問題。
従ってすくえあさんの老婆心は2. が濃厚です。
同記事によると老婆心は目下の人にアドバイスする際に使われるとのこと。
ははぁん。
猛烈な不快感の正体が見えてきましたよ。
以下、心の声のキャッチボール。

貴殿は放っておくと何をしでかすか分かりません
おせっかいでしょうけどクギを刺しておきますよ

そんなこと言われんでも分かるわ
ガキ扱いすんな大きなお世話やで

部下の指導は上司の役割ですが礼節も大事
ここは貴殿を立ててへりくだっておきます

同期に説教される謂れはない
経験豊富な年長者気取りかよ
道理で「上司を上司とも思わない」とすこぶる評判の私が猛烈な不快感を覚える訳ですよ。
使い手の意図と受け手の反応がここまで乖離することばは珍しいのではないかな?
いやぁ、ことばって本当に怖いもんですねぇ。
(水野晴郎風)
ついでに、いつも私のことを貴殿と書くのも無性にイラッ!ときます。老婆心と同じ属性のことばなのかなっ。
さて、大事なポイントdeath。
【老婆心】
男性でも使えるが、使い手と受け手の関係がとっても大事
両者の間に明確な上下/師弟/信頼関係、年齢差などがないなら使わない方が無難
今回はタイトルに偽りありでしたね。
老婆心は決して変な奇妙な日本語ではありません。
しかし、使い方を一歩間違えると大惨事に。
てな訳で、ご利用は計画的に。

クドクド・・・ネバネバ・・・この七面倒くさい日本語・・・ネチネチ・・・ニチャニチャ

私のことは嫌いでも、日本語のことは嫌いにならないでくださいっ!
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