2021年9月、人もまばらな原宿にやって来ました。
空前絶後のコロナ禍が始まって間もない2020年初夏の開業というツイてない商業施設を訪問。
東の横綱・伊東豊雄さん設計の新築建物とあっては見に行かずにいられようか、いやいられまい。
コロナなんぼのもんじゃい!
マスクを装着していざ出発!
参道、鳥居、通り抜け、明治神宮、竹下通り、裏原宿、源氏山
訪問記
東京メトロの明治神宮前駅を出てJR原宿駅方面に向かうと、見えてきましたピカピカの新築建物。
その名もWITH HARAJUKU(ウィズ原宿)。
コンクリート・鉄・ガラス3大スター共演の現代建築ですが、木がアクセントになって一味違います。
メインエントランスは杉の集成材でしょうか。
まるで大鳥居のような門がお出迎え。
思わず一礼してから入りそうになります。
振り返って見るとやはり鳥居っぽい。
さては狙ったな。
両側に建ち並ぶ柱も木、天井に伸びる枝状の飾りも木、さながら参道ですね。
鳥居を除けば雨露が直接かかることはないとはいえ、耐久性は大丈夫なんでしょうか。
近い将来「腐る建築」なんて不名誉な称号を得ることがないようにお願いしますよ。
さて、建物の中にいるのになんだか清々しい気分。
まるで神社の境内を散策しているようです。
この参道(パサージュと言うらしい)は竹下通り・裏原宿から表参道方面に通り抜けられます。
うっかり写真を撮り忘れましたが、反対側の出口にも小ぶりな鳥居あり。
IKEAやUNIQLOを擁するありふれた商業施設が2つの鳥居を結界とする神域に昇華したかのよう。
テナント・ロンダリングでしょうか。
頭上に私の心をくすぐる素敵な階段が掛かるとあっては上がらずにいられようか、いやいられまい。
うわぁもうこれ、本殿に向かう石段にしか見えん。
祀られるのは商売繁盛の神、恵比寿様でしょうか。
ここ恵比寿じゃなくて原宿なんやけど・・・
ところで恵比寿様ってオレンジ色やったっけ?
コロナ様のせいで立入禁止で近づけないのですが、神社のアイドル鳩を連れたご神体が見えます。
そっぽを向いておられますが、ご機嫌斜め?
後日調べて愕然。恵比寿様じゃなかった。
グザヴィエ・ヴェイヤンさんという作家のアート作品 ”La Statue de Harajuku” だそうです。
石段を上り切っても本殿はなく、代わりに鬱蒼とした木々に覆われた高級レジデンスが鎮座します。
賃貸住宅とのことでお家賃調べましたらアナタ、60万円/60㎡に120万円/100㎡ですってよ!
年額ちゃうで月額やで。(数字は丸めてます)
どうやらこの神社が祀るのは資本主義社会の勝ち組スーパーセレブさんたちのようです。
なんだか残念な結論に達しました。
気晴らしに竹下通りでギャル(死語)に混じってクレープでも食べよっと。
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基本情報
WITH HARAJUKU
設計:伊東豊雄+竹中工務店
竣工:2020年
場所:東京都渋谷区
訪問:2021年9月、2023年5月
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