超高層ビル。摩天楼。スカイスクレイパー。
建築好きの夢を掻き立てる魅惑のことばたち。
超高層といえば一昔前まではニューヨークにシカゴにとアメリカの独壇場でしたが、いつの間にやら中東やアジアが席巻。
本日はその中でもひと際美しいデザインを誇るマレーシアのランドマークをご紹介。
訪問記
首都クアラルンプールにやって来ました。
マレー語で「泥の川の合流点」を意味するそうで、今も街の中心に実在します。
ここから2kmあまり北東に進むと、見えてきました2本の巨大ヤングコーン🌽🌽ではなくてペトロ🍆、もといペトロナス・ツインタワー。
間を貫くのは焼き串?それとも懸垂バー?
な~んて低レベルの冗談はさて置き、深い陰影とともにシルバーに輝く2本のタワーは宇宙に飛び立つロケットのようでとてもかっこヨい。
頂部はイスラム教のモスクを模した形のようです。
展望台になっている頂部に向かって進撃開始!
41~42階の懸垂スカイブリッジにやって来ました。
全面ガラス張りの展望コーナーを兼ねており、下界の景色を堪能できます。
しかし建築好きの私は景色そっちのけでタワーのディテールに夢中。
超高層ビルってノッペリした外観のものが多い印象がありますが、この子は別格。
遠くから見ても印象的だった深い陰影の正体はガラス窓の上下を横方向に走る筒状の物体のようです。
しかしこの筒の役割が分かりません。
ルーバー(日除け)かなぁ。
キャットウォークに丸い形状はあり得へんしなぁ。
まさか単なる飾り?
調べたけれど分からず。かっこヨいからいいや。
筒も柱も壁も日光を反射して鈍く輝いています。
材質はステンレスでしょうか。
建物の外装に大々的にステンレスを使うのは珍しいんじゃないかな。お値段が張るので。
86階の展望台へ。
2本の白いヤングコーン🌽🌽がお出迎え。
塔の先端はモスクのミナレット(尖塔)というよりはフェンシングの剣のような形状。
ここは地上370mの高さ。
窓の向こうに見えるのは街のもう1つのシンボルであるクアラルンプールタワー(高さ421m)。
あの先っちょと大差ない高さのところにいるなんてちょっと現実離れした体験です。
天上から見下ろす景色は格別じゃのう。
空中散歩を堪能して下界に戻ります。
昼間と一転、ライトアップされた夜のタワーはなんだか妖しい雰囲気をまといます。
今は亡きニューヨークのワールドトレードセンター然り、ツインタワーって独特の魅力がありますね。
設計はシーザー・ペリさん。
2019年没、享年92歳。
曲線基調の流麗なデザインが得意で世界中の超高層ビルの設計に引っ張りだこでした。
そんな中でもこの子(高さ452m)はペリさんの代表作と言えるでしょう。
1998年の完成から僅か6年間でしたが高さ世界一の称号を誇っていました。
超高層ビルのような巨大建築は単なる建築好きが徘徊してケウンチクを垂れる次元を超越しています。
せいぜい遠くから眺めて「好きだ、嫌いだ」と独りごちるくらい。
そんな訳で私はペリさんに特に思い入れはありませんが、この子は特別。
流麗でありながら深い陰影があり、伝統的なイスラム建築の要素を散りばめつつ宇宙に飛び立つロケットのような未来感を併せ持つ。
数多ある超高層ビルの中でいちばん好きかも。
さてペリさんは日本にも多くの建築を遺しました。
2025年時点で高さ日本一の麻布台ヒルズ(330m)と2位のあべのハルアス(300m)はどちらもペリさんが外観デザインを手掛けました。
つくづく高いビルがお好きだったのね。
もしや世界一の負けず嫌いだったのでしょうか。
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基本情報
ペトロナス・ツインタワー(PETRONAS Twin Towers)
設計:シーザー・ペリ(César Pelli)
竣工:1998年
場所:マレーシア クアラルンプール(Kuala Lumpur, Malaysia)
訪問:2015年2月
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