20世紀3大巨匠の一人と謳われる建築家が満を持して建築徘徊に初登場!
長いよ。
以後、敬意を込めてミースさんと呼ばせて頂きます。
1つも作品のない日本では残るお二人ル・コルビュジエとF.L.ライトに比べて影が薄い印象は否めません。
ミースさんの代名詞といえば”Less is more“
「少ないことは豊かなこと」などと訳されます。
本日はこのいわゆるミニマリズムの思想を建築で体現したミースさんの傑作をご紹介。
掛け値なしにカッコよいですぜ!
訪問記
シカゴと聞いてあなたは何をイメージしますか?
アル・カポネなどのマフィア? “The Wind City“と形容される強風? それともシカゴピザ?
建築好きの間ではシカゴは死ぬまでに一度は訪れたい聖地のひとつ。
その理由は建築徘徊でも追々ご紹介していくとして、いきなり一発目から超弩級のメガトンパンチを繰り出します。
2017年2月。
「外気を直接吸ったら喉が凍って死ぬで」と知り合いに脅されてやって来た冬のシカゴは拍子抜けの暖かさ。
東京の方が寒いで。
シカゴにワンサカある名建築を訪ねて回るガイドツアーに参加します。
その目玉の1つが本日ご紹介のイリノイ工科大学クラウンホール。
見えてきました!
え?「ただの黒縁ガラスボックスやん」ですって?
まあ確かに否定はできませんがね。
ミースさんがミックさんより先に”Paint It, Black“(黒くぬれ!)と叫んだかどうかは知らんけど、建物外周を縦横に走る黒い部材は鉄骨造建物の柱梁などに用いられるありふれた工業製品の形鋼(H型鋼)です。
ところどころ建物の上に飛び出す巨大な梁が単調な繰り返しの外観にアクセントを加えています。
コイツらが屋根を吊ってくれているおかげで、広大な室内はスッキリ爽やか柱や壁がいっさいありません。
後で見に行くよ。
唯一、装飾的な意味合いも兼ねていそうなのが窓ガラスの両サイドを縦に走るマリオン(方立)。
コイツらは多くのミースさんの建物に登場する常連さんです。
手塚治虫のマンガでいうところのヒョウタンツギみたいなもんですな。(いや違うと思う。)
私は敬意を込めて「偉大なるマンネリ・マリオン」と呼んでいます。
抜けるような青空の下、スッキリ爽やかな正面エントランスから正々堂々と中へ。
ご覧ください。何にもありません。
ここは建築学科の学生さんが使う製図室。
偉大な名建築の中で設計の腕を磨く学生さんは幸せなのかプレッシャーを感じるのか・・・とんと見当も付きません。
この建物はいっさいの装飾を省いて必要最小限の部材だけで構成されたミニマリズムの権化。
人によって好き嫌いがハッキリ分かれるかもしれませんが、私にとってはドストライクです。
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基本情報
イリノイ工科大学クラウンホール (S. R. Crown Hall)
設計:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ (Ludwig Mies van der Rohe)
竣工:1956年
場所:米イリノイ州シカゴ (Chicago, IL, US)
訪問:2017年2月
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