建築徘徊35 自由学園明日館|フランク・ロイド・ライトの置き土産

建築徘徊
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じゆうがくえんみょうにちかん。

建物の名前だけで名作であることを予感させるとてもよい響きです。

希望に溢れる大正ロマンの時代に開校したいわゆる女学校。

1997年に重要文化財に指定された貴重な建物ですが、一般公開されており自由に見学することができます。

訪問記

池袋の駅から徒歩10分。

さっきまでの喧騒が噓のように閑静な住宅街にその建物は佇みます。

縦長の大きなが対称形に連なる特徴的な外観。

近づいてみると、細かく分割された枠と桟が何やら不思議な幾何学模様を描いています。

このは建物の中に入ってからじっくり眺めることにして入口に向かいます。

エントランスは昼間でもよい意味で薄暗くて雰囲気があります。

左右対称の構成、不思議な幾何学模様、私の大好物の大谷石、とデザイン要素満載。

さっそく先ほど外から眺めたのところへ。

おぉ!
凝った作りのあみだくじのようなデザイン。

この夕日が射し込んだら、見ようによっては翼を広げた不死鳥(フェニックス)のように感じられるかも。



この大きなのある部屋はホール。
中を見て回ります。

ここも左右対称幾何学模様大谷石、丸くてカワよい照明がよい具合に溶け合って、ずっと見ていられる落ち着きを醸します。


天窓から射し込む日光大谷石の柱に取り付く行燈のような照明も落ち着いた雰囲気の演出に一役買っています。

2階に上がると、かつて女学生さんたちが食事をした食堂。

高窓から射し込む日光と天井から吊るされたひと際大きな球状の照明がとっても魅力的。


ザッと見て回って感じたこの建物の最大の魅力は「光と影」。

天候にもよるでしょうが建物内は総じて薄暗く、だからこそ独特のデザインが施された大窓天窓から射し込む日光がとても美しい。

そこに凝りに凝ったデザインが施された照明群が彩りを添える。

ここで勉学に励み、生活を共にした女学生さんたちはさぞや幸せな日々を過ごしたことでしょう。


設計したのは20世紀3大巨匠の一人と謳われる建築家フランク・ロイド・ライト

かの有名な帝国ホテルの設計と建築のため来日していたときに愛弟子の遠藤新に乞われて基本設計を手掛けました。

ライトさんが(色々あってw)アメリカに帰国後、遠藤さんが設計を引き継ぎ完成させたとのこと。

お二人の素晴らしい師弟愛は下に紹介する書籍でも触れられています。
ご興味あれば是非ご一読を。

あまりの面白さに私は一気に完読してしまいました。

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基本情報

自由学園明日館
設計:フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)+遠藤新
竣工:1922~1925年
場所:東京都豊島区
訪問:2017年2月


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