建築徘徊12 鈴木大拙館|谷口吉生の設計による静謐な思索の空間

建築徘徊
この記事は約3分で読めます。

鈴木大拙って誰や。

明治生まれ、金沢出身の仏教哲学者・文学博士だそうです。

恥ずかしながら不肖私まったく存じ上げておりませんでしたが、そんな私でも大いなる安らぎを得ることのできる記念館。

訪問記

金沢市の中心街。

目指す建物は金沢城や兼六園、あの金沢21世紀美術館からもほど近く、散歩がてら歩いて向かいます。
金沢21世紀美術館もご紹介したいのですが、建物がデカくて丸くてよい写真が撮れませんでした😂)

閑静な住宅街の中にひっそりと佇む建築は、アプローチからして静謐な雰囲気が漂います。

建築を見に行くときはいつも外観が見えたときに心躍る私ですが、今回はなんだか静粛な気分。

コンクリート、鉄、(たぶん)御影石、玉砂利などすべてグレー基調でまとめられており、縦ルーバーと長~い庇が織りなす折り目正しい佇まいが最高にクールです。

入館します。

仏教の深遠な世界(知らんけど)に誘うような、異次元の世界に突入するような通路を通り、中庭に出ます。

人口池を回廊と壁で取り囲んだ空間は、俗世間から隔離された思索のための場所のようです。

水面に映って上下対象に見える美しい建物はなんでしょうか。

右手に池を見ながら回廊を歩いてあちらに向かいます。

中に入ると、前後左右対称の部屋に畳のベンチが置かれただけの静かな休憩思索スペース。

開口から眺める池の景色は額縁に収められた風景画のようです。


建物の周りをグルッと回っていったん壁の裏手に出て、池の反対側から建物を眺めます。

エントランス付近のグレー基調に代わり、こちらは清楚な白基調

水平・垂直のラインがビシッと通り、極薄の庇が大きく張り出した様子は伝統的な寺社仏閣にも通じる雰囲気です。


設計者は谷口吉生さん。

見ての通り、ビシッと厳格にキマった直線が織りなす端正でシャープな建物が特徴のモダニズム建築の大御所です。

いやあ、カッコよいですねぇ。

私が訪れた日はいずれも酷暑でバテバテだったのですが、この敷地内にいる間はなんとも爽やかな清々しい気持ちで過ごすことができました。

【PR】


基本情報

鈴木大拙館
設計:谷口吉生
竣工:2011年
場所:石川県金沢市
訪問:2019年9月、2023年5月


【PR】

建築徘徊
スポンサーリンク
Dr. Teniwohaをフォローする

コメント

PAGE TOP